第6回 フィクション(2)

 前回にひきつづきフィクションについてお話します。フィクション(虚構)の反対はファクト(事実)です。ノンフィクションでは、あくまでファクト(事実)が重視される。事実によって書き換えられ、更新されていきます。新しい事実によ […]

12 天才たちの青春賦

 季節が冬に向かう時期、朝起きてまず、このCDをかける。一曲目の「ブライト・サイズ・ライフ」を聴くと、今日もいいことがありそうな気がする。いや、今日もいい一日にしようと思う。  パット・メセニーとジャコ・パストリアス。二 […]

第5回 フィクション(1)

 これから何回かにわたって虚構、つまりフィクションの話をしようと思います。大きな本屋さんへ行くと、フィクションとノンフィクションというふうに棚を分けているところがありますね。小説はフィクションです。では、フィクションとは […]

なお、この星の上に(24)

 稜線が広くなっていた。右と左に分かれた片方が、東の尾根に向かってせり上がっている。しばらく縦走して東側の尾根に取り付く。その前に弁当を食べることにした。昼にはまだ少し早かったが、夕方には新吾の次兄のところへ戻り、もう一 […]

なお、この星の上に(23)

11  ゆるやかに傾斜した地面を、シダや熊笹などの下草が覆っていた。山仕事をする人たちが使っていたものだろうか。古い道らしく踏み跡はほとんど消えかかっている。まわりはブナやクヌギなどの原生林だった。このあたりの森は昔から […]

第4回 空間

 ここ何回か、小説の構造ということで授業を進めています。最初に語り手についてお話ししました。幾つかの作品の冒頭を引用しながら、それぞれ語り手のタイプが異なることを見てきました。カフカの『変身』のように、現実には起こりえな […]

なお、この星の上に(22)

 勾配のきつい山道を登りきると地形が開けた。あたりはなだらかな高台になっている。畑で里芋が葉を茂らせていた。茎の長さは四人の背丈よりもずっと高く、折り重なるようにして繁る葉は、一枚一枚が豊が持ち歩いている蝙蝠傘ほどもあっ […]

なお、この星の上に(21)

 昼は各自が持ってきたものを分け合って食べた。豊は遠足のときのような弁当を作ってもらっていた。健太郎は自分で握り飯を用意した。新吾はアンパンとジャムパンで、武雄だけが手ぶらだった。 「なんも持ってくるものがなかったんか」 […]

なお、この星の上に(20)

10  木立を吹いてくる風に運ばれて水の匂いがした。川が近いのだろう。太陽の光を遮る頭上の木々の葉が、高くなった夏の日差しを受けて輝いている。 「おまえがいつまでも寝とるけん、もう日がこんなに高うなってしもうたが」大きな […]

第3回 時間

 今日は小説のなかの時間について話をします。ちょっと難しく感じられるかもしれませんが、できるだけわかりやすくお話ししてみます。  単純なやつからいきましょう。みなさんは『今昔物語』をご存知でしょう。芥川龍之介の「鼻」が『 […]

第2回 語り手

 これから数回にわたり、小説の構造について少しお話します。一般に小説と言われているものが、どういった要素によって成り立っているかということですね。いろいろな説明の仕方があると思いますが、この授業では語り手、空間、それに時 […]