小説のために(第二十五話)

15  宮沢賢治が詩や童話で使っている用語や比喩(隠喩)が独特であることは、吉本隆明をはじめとして多くの人が指摘している。水でも川でも石でも雲や風や森や木の芽でも、賢治の言葉を通過することで固いものは柔らかくふくらみ、液 […]

小説のために(第二十四話)

14  2016年7月に相模原市の障害者施設で起こった殺傷事件をおぼえておられるだろうか。事件から一年が経って、被害者の父親の一人が新聞のインタビューに応じた。亡くなった娘さんは35歳で、残されたお父さんは取材当時62歳 […]

小説のために(第二十三話)

13  かつての宗教や宗派の対立や争いは、いまの言葉でいうと科学的な信をめぐるものがたくさんあったように思う。地球は動いていると主張するのにも、命を懸けなければならない時代があった。現在では科学的な信の問題として決着がつ […]

小説のために(第二十二話)

12  葛飾北斎の有名な「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を見ていると、絵師がどこにいるのかわからなくなる。小舟に襲いかかる大波は、さながら水木しげるの描く妖怪のようだ。宙を舞う水飛沫は細かく砕かれた氷の塊といったところ。彼 […]

小説のために(第二十一話)

11  北朝鮮の危機を煽って、いらない武器をたくさん購入させる。癌は怖い病気ですからと早期発見・早期治療を啓発し、癌が見つかれば抗癌剤を投与する。高血圧やピロリ菌のリスクを訴えて、降圧剤を処方したり除菌を勧めたりする。同 […]

小説のために(第二十話)

10  ぼくたちはなぜ犬を飼ったり、猫をかわいがったりするのだろう。シアトルのあるアマゾン本社では、従業員は犬を連れて出勤することができるらしい。家に置いてきた飼い犬が気になって仕事に集中できないようでは困るということだ […]

小説のために(第十九話)

9  この宮沢賢治論も終盤に近づき、いよいよラストスパートというところで奈良へ行くことになった。前から入っていた仕事なので仕方がない。ついでに福井まで足を伸ばして5日間ほど中断。頭は宮沢賢治でホットな状態にあるから、四天 […]