フィクションの可能性

 いつの時代にも、その時代に固有の「自然」がある。ユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』によると、紀元前1776年ごろに制定されたハンムラビ法典では、人は生まれながらに三つの階級(上層自由人、一般自由人、奴隷)に分け […]

なお、この星の上に(46)

 明るい場所を歩いていた。ものも思えず、心が身に添わない状態で、ただ歩いていた。誰かによってどこかへ運ばれている心地がした。自分の意志で歩いているという感覚が戻ってこない。あの青白く光る草原で消えてしまったのかもしれない […]

なお、この星の上に(45)

 どうしてバラバラなのだろう。なぜ人と人は引き裂かれるのだろう。誰かが悪意をもって引き裂いたわけではない。しかし親密であるはずの者同士が、身も心も離れ離れになっている。山を流れる水が深い谷を穿っていくように、渡ることので […]

なお、この星の上に(44)

18  鉱山で働いていた男が酒を飲んで、ふらふらと宿舎を出たまま帰らなかった。どこか近くで酔いつぶれているのだろう。この季節、一晩放置すれば夜の冷気が体温を奪い生命にもかかわる。仲間たちは手分けしてあたりを探したけれど見 […]