あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(4)

4 ちょっと一休み  いやなやつだったらしい。正真正銘のクソ野郎と言う人もいる。ぼくのまわりにもいる。ジョブズの本を書いていると言ったら、「なぜあんなやつのことを書くんだ」と不思議そうな顔をされた。いまでは誰もジョブズのことなど気に...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(3)

3 とりあえずのバイオグラフィー(前半)  というわけで、最初にジョブズの簡単なバイオグラフィーを見ておこう。基本的にはオフィシャルな自伝とされているウォルター・アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ』に依り、さらに長年にわたりジョ...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(2)

2 Where Are You ?  男を探している。どこにいるのかわからない。どこを探せばいいのか見当もつかない。重要なやつなのか? おそらくキリスト教徒にとってのイエスと同じくらい重要だ。イエスと同じように、彼も後の人々からは歴...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(1)

1 ジョブズの写真  父親はシリアからの留学生だった。母親はドイツ系移民の厳格な家庭に育った。ウィスコンシン大学の大学院生だった二人のあいだに生まれた子どもは、最初から養子に出されることがきまっていた。こうして彼の姓は「ジョブズ」に...
ネコふんじゃった

54 それから先のことは

 昨年、彼が亡くなったあと、なんとなく聴きたくなったのが「シンガプーラ」だった。熱い風かき回す、羽ひろげる扇風機、西、東、血が混じる、あの子の目に魅せられた……。その「シンカーブラ」を収録した本アルバムは、一九七六年にアラバマ州はシェイフ...
ネコふんじゃった

53 最高にかっこいいロック・アルバム

 フランク・ザッパというと奇人変人のイメージが先行して、とくに日本では、彼の音楽が正当に評価されていない気がする。しかしアルバムを聴いてもらえばわかるとおり、非常に高い音楽性をもった、天才的なミュージシャンである。  あまりに才能が...
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「今日のさけび10月号、11月号」電子本同時発行。会員登録なしでどなたでも見れます

「今日のさけび10月・11月号」の電子本同時発行しました。もちろんセカチュー・ボイス限定です。市販されておりません。どなたでも見ることができますこちらからどうぞ
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ぼく自身のための広告(31)

31 父の杖  86歳になる母が、もう足が弱ってお四国の巡礼にも行かれないから、長年使ってきた杖を結願のお寺に奉納してきたいと言う。7年前に亡くなった父の杖もそのままになっている。じゃあ二本まとめてお納めしてくるか、ということになっ...
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52 スティルス、才気爆発の一作

 かつてのバンド仲間だったニール・ヤングと、なにかにつけて比較されることの多かったスティーブン・スティルス。ぼくの贔屓はニール・ヤングだったけれど、才能があるのはスティルスだと思っていた。ギターもキーボードも上手いし、ハスキーな独特の声で...
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51 生涯に出会った最高のロックバンド

 最初にザ・バンドの音楽に触れたのは、やはりボブ・ディランがらみだった。高校一年生の夏、ディランとザ・バンドのライブ・アルバムが発売になる。二枚組みのアルバムには、ザ・バンドを従えた力強いディランの歌と、それ以上に魅力的なザ・バン...
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ぼく自身のための広告(30)

30 ぼくのボブ・ディラン  ときどき遊びに行っているウクレレ教室で発表会をやることになった。お酒を飲みながら一人一曲ずつ演奏して歌う。ぼくはギターの弾き語りでしっとりと「イエスタデー」などやって、ご婦人方の涙腺をくすぐるつもりだ...
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50 はじめて買ったボブ・ディランのレコード

 ぼくたちが中学生のとき、「学生街の喫茶店」という曲がヒットしていた。歌っていたのはガロという名前の三人組。歌詞のなかに「片隅で聞いていたボブ・ディラン」という一節が出てくる。そのころから「ボブ・ディラン」という名前が気になってい...
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「今日のさけび8月号、9月号」電子本同時発行。会員登録なしでどなたでも見れます

世界の中心で、愛をさけぶの作家、片山恭一の毎日発行のエッセイを月ごとにまとめました。
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49 一瞬のアイコン

 高校を卒業するまで住んでいた街には、レコード屋が二軒あった。中学二年生の秋、これら二つの店に、突如として巨大なポスターが現れた。しかも店内のあちこちに、中吊り広告のように何枚も吊るしてある。それがこのT・レックス、『スライダー』のポスタ...
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ぼく自身のための広告(29)

『資本論』を通読したのは十代の終わりだったと書いたけれど、『源氏物語』も全巻を通して読んだのは二十代の終わりごろ。奥さんが持ってきた本のなかに、中央公論社から出ていた新書版の谷崎源氏があり、全10巻で別巻が1冊付いている。これを毎日少しずつ読んだ。
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48 こんなんジャズじゃない、と言われたものだけど

 ジャズを聴きはじめたころは、CTIというレーベルをなんとなく馬鹿にしていた。ブルーノートなどの由緒正しいジャズ・レーベルにくらべると、ちょっと軽いというか、ストリングスを多用したサウンドをはじめ、ジャケットも含めてムードミュージ...
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小説のために(下)発行しました。無料で読めます

小説のために全3巻が完成しました。こちらから無料で見ることができます。
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47 大地の声に酔う

 ミルトン・ナシメントの名前をはじめて目にしたのは、ムーンライダーズの『ヌーヴェル・ヴァーグ』というアルバムに彼の曲が入っていたから。同じころ、ウェイン・ショーターの『ネイティブ・ダンサー』を聴いて、このブラジルのミュージシャンに興味を抱...
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ぼく自身のための広告(28)

28 ヒッチコックの映画  あなたのいちばん好きな映画監督は? アルフレッド・ヒッチコックです。たしかに普段はフェリーニだのタルコフスキーだの、はたまたゴダールだのとスノッブなことを言っているけれど、正直なところ、彼らの映画をそうし...
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ぼく自身のための広告(27)

27 ぼくの資本論  最近はプルーストのことなどを書いているけれど、『失われた時を求めて』を通読したのは一度だけで、二十代のときだ。その後は必要なところを読み返す程度である。これまでに読んだ長い作品は、他には『源氏物語』や『資本論』...
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「今日のさけび7月号」発行!小説のために(下)も発行間近。おたのしみに

「今日のさけび7月号」が発行されました。片山恭一が日々のあんなことやこんなことをつづったエッセイみたいなものです。
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ぼく自身のための広告(26)

26 ライ・クーダーの10曲  天草の下田温泉まで行ってきた。この忙しいのに、そんなことをしている場合じゃないんだけど、もう1ヵ月ほど前に家族と約束していたので仕方がないのだ。福岡から下天草までは車で5時間くらいかかる。往復で10時...
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ぼく自身のための広告(25)

25 小説のタイトルをめぐって  小説のタイトルをきめるときはたいていもめる。すんなりきまったものは少ない。編集者が考えてくれたタイトルに変えることもある。作品を書くのはぼくだけれど、それを本という商品として市場へ送り出すのは編集者...
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ぼく自身のための広告(24)

24 オーディオの話……③  ツーバイフォーが売り物のモダンな住宅メーカーでも、家を建てるときには神主を呼んで地鎮祭をやるようだ。やっぱり八百万の神々の国なんだなあ。ぼくたちは呪術に弱い、ということで庭に2メートル四方の鉄板を埋める...
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「今日のさけび」5月・6月号めでたく発行

今日のさけび5月・6月間号が同時発行しました!もちろんセカチュー・ボイス限定です。市販されておりません。みなさまに喜んでいただきうれしさのあまり調子にのって遊んだ結果、たまにさけび忘れる事がありましたがお許しください。決してまじで慢心など...
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ぼく自身のための広告(23)

23 ロック・ミュージック、生涯の5曲!  今日は日曜日なので、ロック・ミュージックのなかから、ぼくの生涯の5曲を選んでみようと思う。緊張するなア。だってロックを聴きはじめて40年、ロック・ファンとしての人生がかかっているからね。二...
ネコふんじゃった

46 アンビエントな夜のために

 ブライアン・イーノが「アンビエント・ミュージック」というジャンルを作り出さなければ、この手の音楽との出会いはずっと遅れていただろう。いや、まったく出会わなかった可能性もある。そう考えると、イーノ先生に感謝です。  作者のハロル...
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ぼく自身のための広告(22)

22 ロック・ギターのベスト・プレイ  中学生のときから40年近くロックを聴いてきた。いちばんロックを感じさせる楽器は、やっぱりギターかな。そこで今日は心に残るギター・プレイを選んでみよう。オールタイム・ベストってやつである。たちど...
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ぼく自身のための広告(21)

21 ホウタレ  ホウタレ、ぼくにとっては懐かしい名前だ。亡くなった父が若いころ好んで食べていた魚で、お酒の肴には、これがいちばんいいと言っていた。安月給の公務員だったので、負け惜しみも多少はあったかもしれないが、他の高級魚よりも口...
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45 突然の死を悼んで

 その日、ぼくは仕事でパリにいた。朝、ホテルの部屋でテレビをつけると、白いシーツでくるまれた遺体が、ヘリコプターから搬入されるシーンが映った。すぐに画面はジャクソン・ファイブ時代のマイケル少年に切り替わる。さらに「今夜はドント・ストップ」...
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ぼく自身のための広告(20)

20 自己の手前でAIを超える  現在、「自己」と呼ばれているものは、遠からずAIによって簒奪されてしまうだろう。医師や教師など、人間にしかできないと考えられてきた仕事の多くが、部分的あるいは全面的にAIに取って代わられる。画像認識...
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44 気だるい夏の昼下がりに

 七十年代、八十年代を通して、ブラジルのコンテンポラリー・ミュージックを牽引していくガル・コスタとカエターノ・ヴェローゾ。これは二人にとってのデビュー・アルバムにして、一期一会のデュエット・アルバム。録音は一九六七年、ガルは二十二歳、カエ...
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ぼく自身のための広告(19)

19 ただいま校正中  ぼくのデビュー作『きみの知らないところで世界は動く』のゲラが送られてきたときは、これでもう間違いなく自分の本が出るのだ、という実感が湧いて「ヤッホー」と飛び跳ねたいほどうれしかった。それまでは何が起こるかわか...
講演原稿

小説を書くこと、読むこと

1.福岡で小説を書くこと  大学進学のためにこちらに来て、以来40年以上ずっと福岡に住んでいます。どうして福岡で小説を書いているのですか、上京しようと思ったことはないのですか、とたずねられることがあります。どうしてと言われても、結婚...
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43みんなメロウでシルキーだったころ

 あのころ(というのは、ぼくが大学生だった七〇年代後半)、AORという呼び方はなかった。ソフト・アンド・メロウとかシティポップスなどと呼ばれていた。ちなみにAORは「アダルト・オリエンテッド・ロック」の略。ロックにジャズやソウルの...
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ぼく自身のための広告(18)

18 バレンシア  ポルトガルとスペインのあいだには一時間の時差がある。すなわち夜中のうちに時計を一時間進める。午前7時30分、ようやく夜が明けはじめる。実際は6時30分ということになる。何が「実際」なのかわからないけれど。船はジブ...
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ぼく自身のための広告(17)

17 リスボン  信長の時代、「南蛮人」といえばポルトガル人のことだった。そして当時の有名なポルトガル人といえば、なんといってもフランシスコ・ザビエルである。たしか「ザビエル」というお菓子もあったように思う。そのザビエルが、いる。こ...
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42 あのころ彼はスゴかった

 ぼくの高校時代は、一九七四年から七六年になるのだが、この三年間に、スティーヴィー・ワンダーは『インナーヴィジョンズ』『ファースト・フィナーレ』『キー・オブ・ライフ』という三枚のアルバムを作り、いずれもグラミー賞を獲得している。ぼ...
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ぼく自身のための広告(16)

16 クルーズ  柄にもなく海外クルーズに行ってきた。はじめての体験だ。スケジュールの都合がつきそうだったし、お値段も手ごろだったので。二週間のツアーで船に十泊する。最初と最後の一泊ずつはホテル、あとの二泊は機中だ。福岡から成田、さ...
ネコふんじゃった

41 素直に聴けなかったプログレッシブロック

 高校生のころ、大人になっても絶対に真似するまいと思ったのは、ゴルフとプログレ系のファッションだった。パッチワークをあてたジーンズにチェックのシャツという、ニール・ヤングのファッションを最高と思っていた当時のぼくには、彼らのセンスは許しが...