まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2012年……(6) 2月6日(月)曇り 午前中、気功。帰ってから小説を進める。また行き詰まっている。予定していた展開に疑問が出てきたのだ。主人公たちの身に起こる出来事で、いかに人類の滅亡を暗示するか。いいアイデアが浮かばない。 内田樹・中沢新... 2021.02.15 まぐまぐ日記
レコードのある風景 ⑫ザ・スタイル・カウンシル『カフェ・ブリュ』 ぼくが福岡へやって来たのは一九七七年、大学へ入学した年だった。市街電車はまだ走っていた。地下鉄の工事中で、貝塚から天神へ向かう道は混雑がひどかった。 学生時代を思い返し、いちばん愛着のある街は、やはり親不幸通りのあたりだ。当時の... 2021.02.08 レコードのある風景
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2012年……(5) 1月30日(月)晴れ 今日は暖かくていい天気。午前中、気功。風邪はほぼ回復したようだ。気功の考え方では、風邪は季節の変わり目に身体の調律をするために引くものとされる。だから上手に風邪を引いて、短期間に経過させることが好ましい。間違... 2021.02.07 まぐまぐ日記
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2012年……(4) 1月23日(月)曇り・晴れ 午前中、気功。いまは冬の土用の時期である。「用」は動くという意味。地面が動く。そうやって、新しい季節への準備をする。心身の調律にとっても大切な時期である。そんな話をY先生はされていた。 あいかわ... 2021.02.02 まぐまぐ日記
ネコふんじゃった 63)たまには現代曲を聴いてみる このCDを買ったのは、キース・ジャレット(ピアノ)とギドン・クレーメル(ヴァイオリン)という気になるミュージシャンが共演しているから。しかし聴き進むうちに、演奏者もさることながら、これらの作品の作者に大きな魅力をおぼえはじめていた。 ... 2021.02.01 ネコふんじゃった
レコードのある風景 ⑪アート・ペッパー『ミート・ザ・リズム・セクション』 いまの若い人たちは、どんなふうにしてジャズを聴きはじめるのだろう。きっとぼくたちのころとくらべて、ずっと自由に、いろんな切り口から新旧のジャズを聴いているのだろうと想像される。 ぼくがジャズを聴きはじめたのは七十年代半ば、そのこ... 2021.01.31 レコードのある風景
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2012年……(3) 1月16日(月)曇り 午前中、気功。午後は次男を迎えに空港へ。夕方まで仕事をして夜は剣道。いくら日記とはいえ、こんなことを書いても面白くないなあ。 昨日のセンター試験で問題の配布ミス。今朝の『朝日新聞』の見出しは「人生がか... 2021.01.25 まぐまぐ日記
レコードのある風景 ⑩『メイン・ストリートのならず者』 このアルバムが発売されたのは一九七二年、ぼくが中学二年生のときだった。彼らにとっては、はじめての二枚組だ。発売前から評判の高かったアルバムで、ぼくもできればほしかった。しかし三千円という出費は、中学生にとっては取り返しのつかない額なので... 2021.01.25 レコードのある風景
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2012年……(2) 1月9日(月)曇り 午前中、今年最初の気功。祭日だというのに、教室は休みではないのだ。Y先生も生徒のみなさんも、やる気満々である。 午後から大阪へ帰る長男を、家族で博多駅まで見送る。途中、マリンメッセの前を通ったら、成人式... 2021.01.18 まぐまぐ日記
ぼく自身のための広告 ぼく自身のための広告(34) 34 フィル・スペクターの10曲 お待たせしました。お待ちになっていないかもしれないけれど、フィル・スペクターのベスト10を発表させてもらいます。選曲していて思ったんだけど、よほどへそ曲がりな選び方をしないかぎり、半分くらいは重な... 2021.01.18 ぼく自身のための広告
レコードのある風景 ⑨『サウンド・オブ・サイレンス』 ロックを意識的に聴きはじめたのは中学一年生のとき。最初に買ったレコードはヴェンチャーズのEP盤だった。「バットマンのテーマ」「蜜の味」などが入っていた。他にもヴェンチャーズのシングルは何枚か買った。入学祝に買ってもらったフォーク・ギター... 2021.01.18 レコードのある風景
レコードのある風景 レコードのある風景……⑧『ゴールデン・サークルのオーネット・コールマン ジャズのレコードを集める楽しみの一つはジャケットにある。ロックやクラシックのアルバムとは明らかにテイストが異なる。 たとえばブルー・ノートのジャケット・デザインの特徴は、まず単色であること。これは低予算による制約だろう。つぎにミ... 2021.01.11 レコードのある風景
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2012年……(1) 1月1日(日)曇り 家族四人揃ってお雑煮を食べ、新年を祝う。昼は施設に入っている父を一時帰宅させ、神奈川から来ている妹たちも揃い、みんなで簡単な食事。ぼくのところが息子二人、妹のところは一男二女、五人の孫が揃うことはめったにないの... 2021.01.07 まぐまぐ日記
レコードのある風景 レコードのある風景……⑦ ⑦『ゴルトベルク変奏曲』 もう二十年くらい前になるだろうか。ある日、突然ピアノに目覚めた。独学でハノンなどの教則本にも取り組んだけれど、なんといっても弾きたかったのはバッハだ。それでゼンオンの『クラヴィーア小曲集』という、いちばん... 2021.01.04 レコードのある風景
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(18) 12月22日(木)曇り 冬型の天気で寒くなった。夕方から天神に出て、TUTAYAで古本を買う。今日は鶴見俊輔・小田実『オリジンから考える』(岩波書店)、吉本隆明・江藤淳『文学と非文学の倫理』(中央公論社)、中島義道『悪への自由』(... 2020.12.31 まぐまぐ日記
レコードのある風景 レコードのある風景……⑥ ⑥『ワン・マン・ドッグ』 デビュー当時のジェイムズ・テイラーのかっこよさは、現在の彼からはちょっと想像するのが難しい。音楽的にはブランクもなく、常にクオリティの高い作品を発表しつづけている人だが、どこか神経質そうで、孤独な影をまと... 2020.12.28 レコードのある風景
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(17) 12月14日(水)曇り 午前中、小説を書いて、午後から九州産業大学で講義。今日は太宰治について話す。好きな作家なので、こっちもノリノリである。珍しく時間が足りなくなった。たとえば「走れメロス」の最後の場面、読むたびに感動して胸がい... 2020.12.26 まぐまぐ日記
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(16) 12月7日(水)曇り・雨 午前中は小説を書き、午後は九産大にて講義。今日は小林多喜二を中心にプロレタリア文学について話す。いまの学生たちは、マルクス主義についてどのくらい理解があるのだろう? 昭和の初期、日本の文学者たちにとってマ... 2020.12.22 まぐまぐ日記
レコードのある風景 レコードのある風景……⑤ ⑤『クール・ストラッティン』 それまでロック一筋だったぼくは、大学に入ってからジャズを聴きはじめた。きっかけはトム・ウェイツの『土曜の夜の恋人』だった気がする。他にも、ポール・サイモン、ジョニ・ミッチェル、ビリー・ジョエルなど、あ... 2020.12.21 レコードのある風景
ネコふんじゃった 62)深夜のラジオから流れてきた「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」 中学生のころ、ラジオを聞きながら勉強するのが習慣だった。当然、勉強にはあまり身が入らず、ラジオの方が主だった。リクエストのはがきなんかも出していた。地元の民放だと、かなりの確率で読まれた。 二年生の冬だった。炬燵に入って、いつも... 2020.12.16 ネコふんじゃった
九産大講義 現代文学として『源氏物語』を読む……第7回 近親のエロス(2) 病気の治療のため北山の行者のところへ通う道すがら若紫を見出した源氏は、幼女の面倒を見ている僧都と尼君(若紫の祖母にあたる)に「自分に世話をさせてくれ」と申し出ます。原文では「後見(うしろみ)」とあります。世話をする人という意味ですが、平... 2020.12.14 九産大講義
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(15) 12月1日(木)曇り 今日から十二月。いろいろあった一年も、あと残すところ一ヵ月。原発事故、ヨーロッパの経済危機……様々な面で、世界の破局が近いことを実感させられた一年だったように思う。来年はどんな一年になるのだろう。あまり明るい... 2020.12.13 まぐまぐ日記
レコードのある風景 レコードのある風景……④ ④『フリーホイーリン』 中学二年生からロックを聴きはじめたぼくは、一年後の秋には、いっぱしのロック少年になっていた。ビートルズのアルバムは五枚くらい手に入れたし、ローリング・ストーンズは二枚組のベスト盤を買ったので、ヒット曲はだい... 2020.12.08 レコードのある風景
九産大講義 現代文学として『源氏物語』を読む……第6回 近親のエロス(1) 『源氏物語』のうち光源氏を主人公とする部分(第41章「雲隠」まで)について見ると、彼にとって重要な女性は藤壺と紫の上ということになります。まさに「紫」の女性たちをめぐる物語です。そのなかで若紫との出会いの場面を見てみましょう。 ... 2020.12.07 九産大講義
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(14) 11月25日(金)曇り・晴れ 今日はなんと午前3時半起床なのだ。熱気球に乗るためで、4時10分にバスがホテルまで来てピックアップしてくれる。ケアンズ近郊までバスで一時間ほど。牧場みたいなところで、三つの熱気球がスタンバイしている。... 2020.12.06 まぐまぐ日記
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(13) 11月23日(水)雨・曇り ホテルの部屋でクラッカーとチーズとフルーツの朝食。スコールのような雨が降っているので、午前中はベッドの上で読書。電子辞書を引きながらChatwinの書簡集を読む。この書簡集には8歳のときに両親に宛てたも... 2020.12.01 まぐまぐ日記
レコードのある風景 レコードのある風景……③ ③『ウェイブ』 海辺の街に生まれ育ったので、子どものころの海水浴の思い出は、いまでも無性に懐かしい。水中メガネをつけて潜ると、眼下を大小様々の魚たちが泳いでいる。沖へ向かって泳いでいくうち、海の底はだんだん深くなって、あるところか... 2020.11.29 レコードのある風景
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(12) 11月21日(月)曇り・晴れ 現地時間の午前4時45分、ケアンズ空港着。日本との時差は1時間なので、実質の飛行時間は約8時間。この間に、二回機内食が出るのにはまいった。しかも一回目は午後10時半で、二回目は午前3時半なので、あいだ... 2020.11.29 まぐまぐ日記
レコードのある風景 レコードのある風景……② ②『カリフォルニア・シャワー』 その年、というのは一九七八年のこと。福岡は史上まれにみる大渇水に見舞われていた。ほぼ一年間にわたって、時間指定断水がつづいた。当時、ぼくは大学二年生で箱崎に下宿していた。遊郭を改築したような下宿は、... 2020.11.22 レコードのある風景
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(11) 11月15日(火)晴れ 小学館の菅原さんより解説をたのまれた、嶽本野ばらさんの『タイマ』を読みはじめる。この小説は、彼が大麻の不法所持で逮捕され、復帰しての第一作である。だから逮捕の体験を中心に書いてある。野ばらさんの小説を読むの... 2020.11.22 まぐまぐ日記
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(10) 11月8日(火)曇り このところ「日本人の死生観」というエッセーを書いているが、うまく書けずに苦労している。土着の他界観の上に、仏教や道教や儒教など、外来の宗教思想が入って来て、本来の姿を見えにくくなっているのだ。また貴族たちの考... 2020.11.16 まぐまぐ日記
レコードのある風景 レコードのある風景……① ① アビー・ロード 現在、ビートルズのCDは、イギリス盤が世界共通のフォーマットになっている。すなわち12枚のオリジナル・アルバムにアメリカ編集の『マジカル・ミステリー・ツアー』、シングルをまとめた『パスト・マスターズ』が2枚。... 2020.11.12 レコードのある風景
九産大講義 現代文学として『源氏物語』を読む……第5回 中の品の女 第二巻の「帚木」で光源氏は17歳になっています。4歳年上の葵の上と結婚して5年になりますが、二人のあいだには子どももなく、なんとなく疎遠な感じです。舅である左大臣家にはたまにしか顔を出さず、内裏の住まいで過ごすことの多い源氏です。 ... 2020.11.11 九産大講義
ネコふんじゃった 61)今年は七十回目の誕生日 ジョン・レノンが亡くなったとき、ぼくは大学卒業を控えた二十一歳だった。彼の晩年の作品に「グロウ・オールド・ウィズ・ミー」という曲がある。ぼくたちはジョンの死とともに歳をとってきた世代である。 あれから三十年。ぼくは結婚し、二人の... 2020.11.09 ネコふんじゃった
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(9) 11月1日(火)晴れ 九州電力が停止中の玄海原発を再稼働させるというので気分が悪い。本来なら、東電や九電の製品(電力)をボイコットすべきなのだが、ぼくたちは電力会社にたいして消費者として振舞うことができない。代替手段として、東芝、... 2020.11.09 まぐまぐ日記
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(8) 10月24日(月)晴れ 午前中、気功。講演原稿を書いてしまう。夕方、白石君より、解説のお礼の電話をもらう。いつか対談をしようと、前から言ってくれているのだが、頭の回転の速い白石君が相手だと、ぼくは聞き役で終わってしまいそうだ。電話... 2020.10.31 まぐまぐ日記
九産大講義 現代文学として『源氏物語』を読む……第4回 物の怪(2) 今日は物の怪の二回目、六条の御息所の物の怪が源氏の正妻である葵の上を取り殺すシーンを見てみましょう。「葵」という章で、数字でいうと第9章ということになります。葵の上は妊娠しています。結婚して10年目の懐妊ですから、ようやくといったところ... 2020.10.28 九産大講義
あれも聴きたい、これも聴きたい あれも聴きたい、これも聴きたい……① 1 ザ・ベスト・オブ・ビートルズ あるミュージシャンやバンドを好きになると、自分なりのベストものをつくりたくなる。最初はカセットテープで、その後はMDで。これまで何度も、ビートルズのベスト10やベスト20を選ぼうとして、そのたびに... 2020.10.28 あれも聴きたい、これも聴きたい
あれも聴きたい、これも聴きたい あれも聴きたい、これも聴きたい……② 2 ジョー・ヘンリーのいい仕事 数えてみたら、去年買ったCDのなかに、ジョー・ヘンリーのプロデュースしたものが4枚もあった。アラン・トゥーサンの「The Bright Mississippi」、ランブリン・ジャック・エリオットの「... 2020.10.27 あれも聴きたい、これも聴きたい
まぐまぐ日記 まぐまぐ日記・2011年……(7) 10月18日(火)晴れ 夜、大学時代の友人と呉服町のイタリアンで会食。福岡市役所に勤務の木村君は、ぼくの家から歩いて五分くらいのところに住んでいるにもかかわらず、普段はなかなか一緒に呑む機会がない。今日は佐賀の鹿島から、共通の友だ... 2020.10.25 まぐまぐ日記