The Road To Singurality

The Road To Singularity Ep.11

11 リスクはあなたが負う  7時に起きて一時間ほど読書。8時半に出発、途中でベーカリーを見つけたので、パンとコーヒーを買って朝食にする。11時ごろPalouse Fallという場所に着く。その名のとおり大きな巨大な滝がある。いちば...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(14)

14 還暦  60歳になった。還暦である。身に覚えのない気分だ。60年でひとまわりして生まれた年の干支に還るといっても、十二支のほうはともかく、十干なんて日ごろはほとんど意識していない、と文句を言っても還暦である。  歳をとる...
The Road To Singurality

The Road To Singularity Ep.10

10 The Land of Secrets  朝5時に目が覚める。気持ちがいいのでしばらく散歩。ボブはまだ起きてこないので、もう少し寝る。8時に起きて二人でテントを片付ける。車でしばらく走るとSafewayがあった。店のなかにスタ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(13)

13 オーディオの話……②  高校時代からの友人Y君が、そのころオーディオ雑誌の編集部にいて相談に乗ってくれていた。家を建てると言ったら、いろいろとアドバイスをしてくれた。総じて適切なものであったと思いたい。Y君:リビングの床の下に...
未分類

新しい物語をはじめよう

 他の動物たちと違い、人間はフィクションをつくり、そのなかで生きる生き物である。現在、私たちがとらわれている最大のフィクションは貨幣と死だろう。 このうち貨幣のほうは、近い将来もっといいものにとって代わられると思う。オックスファムの最新デ...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.9)

9 Yakima川のほとりで  午後4時過ぎにキャンプ場に到着。所定の場所に車を停めて、まずは冷たいビールといきたいところだが、面倒くさいことを先に済ませてしまおう。昔はテントの設営といえば厄介なものだった。まずテント自体が重くかさ...
九産大講義

第6回 松尾芭蕉

1 芭蕉の生涯  寛永21年(1644年)、伊賀上野(三重県上野市)に生まれる。地侍程度の身分で、郷士(武士の待遇を受けていた農民)のようなものだったらしい。その後の年譜には不明なところが多い。父の死後、武家に仕官していたらしい。2...
ネコふんじゃった

38 タルコフスキーとバッハ

 バッハの宗教曲といえば、マタイ、ヨハネの両受難曲にロ短調ミサ曲、クリスマス・オラトリオと傑作揃いだが、どれか一つということになれば、作品の規模からいっても内容からいっても、やはりマタイ受難曲ということになるだろう。  ぼくがこの作...
講演原稿

人間のなかの善なるもの

1  このところ日本各地で地震や大雨などによる被害がつづいています。自然災害の少ない土地という印象をもっていた愛媛県も、今年は豪雨に見舞われて30人以上の方が亡くなり、農業を中心に大きな被害が出ました。昔にくらべると暑さも寒さも極端...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(12)

12 父の写真  書斎の隅に置いてある写真の父は、6年前に亡くなった。12月24日が命日。クリスマス・イブの寒い朝だった。お葬式に使った写真だけれど、近くに住んでいる母が「別のものを飾りたい」と言うのでもらってきた。 毎朝書斎に上がると、ま...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(11)

11 オーディオの話……①  これから何度かオーディオについて書いてみようと思う。そのためには家を建てる話からはじめる必要がある。というのは、ぼくは音楽は好きだけれど、けっしてオーディオ・マニアや音質の求道者ではない。スーパーオーディオCD...
九産大講義

第5回 能楽~夢幻能を中心に

1 基本的な知識 約650年前の室町時代、観阿弥(1334~84)、世阿弥(1363~1443)の親子によって大成された。奈良時代に日本に入ってきた唐の大衆芸能である「散楽」が日本風に「さるごう」と呼ばれ、それが「猿楽」になったとされる。 ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(10)

10 ギター  知り合いがやっているウクレレ教室に遊びにおいでよと誘われて、このところ久しぶりにギターに触っている。10年ぶりくらいじゃないかな。長くほったらかしていたので弦は錆びつき、何本かは切れていた。ボディにも埃がいっぱい溜まっている...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(9)

9 執筆中  いま書いている小説の原稿。適当なところでプリントアウトして赤のボールペンで手を入れる。これは一回目。だからページ全体が真っ赤。少し先へ進んだところで、また最初から手を入れる。そんなことを何度も繰り返す。一年中ほぼ毎日。と...
九産大講義

第4回 源氏物語の世界

1.全体の構成  54巻(帖)よりなる主人公・光源氏を中心とした約70年の物語。源氏の一代記として読めば、最後の宇治十帖までは、彼が生まれ、育ち、恋をし、流謫(須磨・明石に蟄居)と昇進(准太上天皇・39歳)を経験しながら、老いて死ぬ話と言...
ネコふんじゃった

37 大好きな『大地の歌』だけれど

 今年のサイトウ・キネン・オーケストラのメイン・プログラムは、マーラーの交響曲第一番『巨人』だったそうだ。コンサートを聴きに行った友だちからその話を聞いて、このところまたマーラーを聴いている。もう二十年近く前になるだろうか、ずいぶん入れ揚げ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(8)

8 お酒の話  どうもお酒が好きで、困っちゃうなあ。別に困ることはないんだけど、つい飲み過ぎてしまうもので。なぜかなあ。年が明けると60歳なのに。還暦ですよ、いやはや。こういうことって学ばないものです。学習したことを忘れちゃうんだよね...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(7)

7 友だちのCD……②  高校時代からの友人、山本浩司くんが選曲・構成したCD。今日は内容をご紹介しよう。一曲目はジェイムス・テイラー、曲が「きみの笑顔」で「おやっ」と思ったのは、彼の場合、やっぱりワーナーのイメージが強いから。そうか、こ...
九産大講義

第3回 『万葉集』(後半)

6 草摘みの歌    『万葉集』には、春菜摘みの歌が数多くおさめられている。もともと草摘みは、天候の安定や豊作や村落の平穏無事などを祈願するために、共同体的秩序のもとで行われる予祝的な神事だった。この予祝は、神との約束を一定の条件のもと...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(6)

6 友だちのCD……①  高校時代からの友人がCDを送ってくれた。彼が選曲・構成したもので、タイトルは『東京・青山骨董通りの思い出』、ぼくの好きな主に70年代のロックやポップスがたくさん収録されている。ハイブリッドのSACD仕様なで音も良...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.8)

8 Walmartと人間  翌日も快晴。6時に目が覚めたので、昨夜登ったところまで一人で行ってみる。途中でカメラを担いで下りてくるボブと会った。朝5時ごろに起きて日の出の写真を撮ってきたそうだ。昨夜は午前2時まで星の写真を撮っていた。...
九産大講義

第2回 『万葉集』(前半)

1 どういう書物か  日本に現存する文学的な作品として、最古のものの一つで、主に「短歌」と呼ばれる三十一音の短い詩が集められている。短歌のほかに長歌と呼ばれる、もう少し長い詩も収録されているが、この形式はほとんど『万葉集』のなかにだけ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(5)

5 本棚……③  机に向かうと、この本棚を背にする格好になる。家を建てたときに造作家具として備えてもらった。できるだけたくさん収納できるものを、とお願いしたけれど、すぐにいっぱいになっちゃうんだな。棚板を調整することで上下幅を変えられ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(4)

4 本棚……②  三つ並べた本棚の右端には、思想・哲学関係の本が入っている。いちばん場所をとっているのはミシェル・フーコー。単行本に加えて講義集成と思考集成が隊列をなしている。同時代最大の思想家という評価は変わらない。ジル・ドゥルーズ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(3)

3 本棚……①  今日はぼくの本棚をお見せしよう。机に坐って右手に、同じ本棚を三つ並べ、倒れてこないように金具で壁に固定してある。この本棚には自分のなかで評価の定まった人たちのものが集めてある。そのため全集や著作集など、まとまったもの...
九産大講義

第1回 『古事記』とはどのような書物か

(1) 成立  ・太安万侶の「序文」によると、712年。  ・天武天皇(40代)が舎人の稗田阿礼に「帝紀」「本辞」を誦み習わせた。  ・元明天皇(43代)が太安万侶に阿礼が誦習した本を撰録して献上するように命じた。 (2) 構成...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(2)

2 コーヒー  朝はだいたい6時から7時のあいだに起きて、まず庭で簡単な体操。それから剣道の素振り。これで15分か20分。つづいて朝食の支度。といってもリンゴ、バナナ、キウイフルーツなどを切るくらい。ぼくも家族も朝は果物を少々、あとは...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(1)

1 机の上  ぼくが仕事をしている机の上はこんな感じ。ご覧の通り、なんの変哲もない。ただごちゃごちゃといろんなものが乗っかっているだけである。つまんない。まあ、仕事をするところだからね。面白おかしくなくてもいいのだ。  この机は、い...
ネコふんじゃった

36 生まれたときから、ずっと名盤

 このアルバムを最初に聴いたのは高校二年生の冬、友だちのY君の家だった。部屋の隅では、石油ストーブが燃えていた。ちょっとお腹が減ったので、Y君がゆで卵をつくってくれた。コーヒーを淹れて準備完了。レコードに針を下ろす、一曲目の「愛のゆくえ」が...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.7)

7 星空に抱かれて  午後11時にボブと一緒に星を見に行く。さすがに外は真っ暗だ。ロッジを出たときには、「なんだ、こんなものか」と思った。この程度の星空なら日本でも何度か見ている。だが一分ほど経って、暗闇に目が慣れてくると腰を抜かしそ...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.6)

6 善なるものの宿るところ  今夜は飲みに行こう、とやさしい言葉をかけてくれた師匠であったが、夕食を済ませると早々に写真を撮りに行ってしまった。まあ、ぼくだってそんなにいつまでもめそめそしていない。立ち直りの早い二人である。  夕食...
ネコふんじゃった

35 アイズレーが歩んできたロング&ワインディングな道

 最初に一言。彼らの場合、ジャケットには目をつぶらなければならない。どのアルバムも、ド派手なステージ衣装に身を固めた六人のあまり美しくない男たちが、「8時だヨ!全員集合」という感じで写っている。同じパターンが「これでもか」というくらいつづく...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.5)

5 青年はマウント・レーニアをめざす  ボブの運転する日産のレンタカーは一路、つぎの目的地をめざして走っている。昨夜の宿はシアトル郊外ベルヴュー(Bellevue)のホテルだった。今夜はマウント・レーニア国立公園(Mt.Rainier...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.4)

4 レジのないコンビニで買い物をする  坂垣巴留さんのコミック『BEASTARS』は動物たちを主人公とした学園ドラマである。中高一貫全寮制の学園では肉食獣と草食獣が危うい共存関係を保っている。あるときオスのアルパカが何者かに殺害される...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.3)

3 犬を連れて働く人たち  午前十一時半、シアトルは曇りだ。寝不足の頭と重いスーツケースを抱え、ぼくたちはシャトルバスでレンタカーセンターへ向かう。アメリカの空港はこんなふうにターミナルから少し離れたところにセンターがあって、エイヴィ...
ネコふんじゃった

34 水割りの味とトム・ウェイツ

 若いころは、ウィスキーの水割りを美味しいと思ったことはなかった。ああいうのは結婚式などで、時間つぶしに飲むものだった。最近は、焼酎でもウィスキーでも、お湯や水で薄く割ったものを好んで飲んでいる。歳のせいでしょうかねえ。  水割りの味をお...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.2)

2 いざ、シアトルへ  このところボブは、なんでもシンギュラリティにしてしまう。美味しいカレーを食べると、「おお、シンギュラリティ!」なんて叫ぶし、ボストン美術館にあるポール・ゴーギャンの絵も、彼に言わせるとシンギュラリティなのだそう...
ネコふんじゃった

33 いつもクールなデスモンドのサックス

 ポール・デスモンドというと、条件反射的に「テイク・ファイブ」の人ということになってしまうのは、致し方ないことかもしれない。彼の名前は知らなくても、あのメロディを耳にすれば、大半の人が「ああ、この曲か」となるはずである。ちなみに初演は、デイ...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.1)

1 新しい世界宗教  新しい宗教が生まれつつある。その名を「シンギュラリティ」という。ええっ! シンギュラリティって宗教なのか? その通り。シンギュラリティは21世紀の新しい宗教です。しかも70億を超える人類すべてを帰依させる力をもっ...
講演原稿

人間創生としてのシンギュラリティ

1 人間vs人工知能  AIにかんする議論を見ていて感じるのは、この世界がどこに向かっているのか、誰にもわからなくなっているということです。非常に大きな変動が起こっていることは間違いなのですが、世界規模で進行する変化の速さに多くの人がつい...