91)ニューオリンズ・ファンクの伝説的グループ

ネコふんじゃった
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 このレコードを買ったのは、大瀧詠一の『ロング・バケーション』がヒットしていたころ。なぜそんなことをおぼえているかというと、90分のカセットテープの両面に録音して、夏休みのあいだじゅう聴いていたから。1981年。オリジナル・リリース(1974年)からはしばらく経っている。

 ミーターズというバンド名は、アルバムをプロデュースしているアラン・トゥーサンの名前とともに早くから耳にしていた。トゥーサンはまず、ザ・バンドのホーン・アレンジャーとして知り、それからリトル・フィートが彼の曲を取り上げたことで、より身近になった。しかしミーターズにかんする情報はほとんどなかった。ようやく彼らの音を聴くことができたのは、ドクター・ジョンの『イン・ザ・ライト・プレイス』においてだった。やはりトゥーサンのプロデュースによるこのアルバムに、リズム・セクションとしてクレジットされているのが彼らだった。そして『ロング・バケーション』の年に輸入盤で、ついにこのレコードを手に入れる。

 インストゥルメント・バンドとして出発した彼らだが、徐々にヴォーカル付きのものが増え、本作ではほぼ全曲が歌入りとなっている。ドラムスとベースを中心にシンコペイトするリズムは、ボディが低くて強烈。そこにギターとキーボードがからんで生み出されるしなやかグルーブは唯一無二のものだ。アラン・トゥーサンのソロ・アルバムや彼らの前作をあしらったジャケットもカッコいい。(2010年5月)