kkatayama

ネコふんじゃった

85)人類最高の交響曲

今回はクラシックのお話。ぼくが好きな交響曲はたくさんある。モーツァルトの「プラハ」と四十番、ベートーヴェンの三番、六番、九番、シューベルトの「未完成」、マーラーの九番と「大地の歌」。ブラームスの四つの交響曲も捨てがたいし、七つあるシベリウ...
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84)犬もうたっている?

 ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(NGDB)は、もともとアメリカのオールド・タイム・ミュージックを演奏するジャグ・バンドとして1960年代の半ばにスタートした。一時期はジャクソン・ブラウンもメンバーだったことがある。その後、ブルーグ...
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83)木漏れ日のような音楽

 しばらく前に『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』という本が出版され、話題になったことがある。彼らはインターネットが普及するはるか以前から、自分たちの作品を著作権で囲わずに解放するとか、ライブ録音を許可するといった、現在のシェア...
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82)よくぞここまで! まさに完璧な一枚

 ブライアン・イーノがいたころの初期のロクシー・ミュージックは、ヴィジュアル的にも音楽的にも派手で、アイデアや実験性が先行した、頭でっかちのアマチュアっぽいバンド、という印象が強かった。  その後、イーノが脱退したのを契機に、ロクシ...
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81)おしゃれなデュオ、夏の定番

 それぞれソロとして活動していたベン・ワットとトレイシー・ソーンが、いつのまにかエブリシング・バット・ザ・ガールというデュオになっていたのには、ちょっと驚いた。もともとベン・ワットは贔屓のミュージシャンだった。トレイシーのソロ・アルバムも...
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80)奇蹟のデビュー・アルバム

 ビネガー・ジョーなどのロック・バンドでソウルフルな咽喉を聴かせていたロバート・パーマーが、アイランド・レーベルに移籍してのソロ第一作にして最高作である。これを「奇蹟」と呼ぶのは、参加しているミュージシャンの顔ぶれの一期一会感と、さらに彼...
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79)「第三世界」という名のレゲエ・バンド

 レゲエを聴きはじめた七〇年代の後半、ボブ・マーリーやジミー・クリフとともに、ぼくがいちばん好きになったバンドの一つが、このサード・ワールドだった。  レゲエのグループの多くは、いわゆるヴォーカル・グループで、演奏も自前でこなすとい...
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ぼく自身のための広告(36)

36 フィリップ・ロス『さようならコロンバス』  失恋とは、世界を失うことである。世界を成り立たせていた遠近法が崩壊し、自分のまわりの風景が、うすっぺらで表面的なもの感じられる。中心を失った世界は外延され、とりとめなく、つかみどころ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(35)

35 いまの自分を潤してくれる10枚 MILES DAVIS 『Kind Of Blue』BOB DYLAN 『Blood On The Tracks』NEIL YOUNG 『Everybody Knows This Is Nowh...
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78)「街」を感じさせるアルバム

 学生のころ、休みの日の楽しみは、レコード店と古本屋をまわることだった。けっして資金は潤沢ではない。だから安いカット・アウトの輸入盤や古本を漁る。とくに古本屋は掘り出し物を求めて何軒も歩きまわる。そして一日の終わり、喫茶店でコーヒーを飲み...
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77)東と西のジャズ

 ジャズでいうところのリズム・セクションとは、ドラムとベース、それにピアノのこと。ここではフィリー・ジョー・ジョーンズ、ポール・チェンバース、レッド・ガーランドの三人で、このアルバムが録音された当時は、マイルス・デイヴィスのバンドのリズム...
ネコふんじゃった

76)ご存知、ストーンズの最高傑作

 このアルバムが発売されたのは1972年、ぼくが中学二年生のときだった。彼らにとってのみならず、ぼくにとっても、はじめて買った二枚組のレコードだった。三千円という出費は、中学生にとっては取り返しのつかない額なので、買う前にずいぶん迷ったお...
ネコふんじゃった

75)儚いまでに美しい

 ニック・ドレイクは1948年に生まれて1974年に亡くなった、イギリスのシンガー・ソングライターである。二十六年の人生で、彼が残したアルバムは三枚。いずれも生前にはあまり売れなかった。そのことも彼の死を早めた要因かもしれない。うつ病に苦...
源氏物語講義

現代文学として『源氏物語』を読む……第7回 近親のエロス(2)

 さて「若紫」の章で語られる二つのエピソードのうち、今回は若紫との経緯を見ていきましょう。まず冒頭で18歳の源氏は病気になります。「瘧病(わらはやみ)」とあり、マラリアみたいなものだったようです。彼は北山の寺にいる行者のところへ治療に通う...
ネコふんじゃった

74)寒い冬の夜、炬燵のなかで

 「プカプカ」の作者として知られる西岡恭蔵は、七〇年代を代表するソングライターの一人だ。彼が自作自演し、また他人に提供した名曲は数知れない。  大塚まさじ、永井ようと三人で結成した「ザ・ディラン」でデビューしたころから、彼の書く曲は...
源氏物語講義

現代文学として『源氏物語』を読む……第6回 近親のエロス(1)

 『源氏物語』のうち光源氏を主人公とする部分(第41章「雲隠」まで)について見ると、彼にとって重要な女性は藤壺と紫の上ということになります。まさに「紫」の女性たちをめぐる物語です。今回は第5章の「若紫」を見てみましょう。この帖では大きな二...
源氏物語講義

現代文学として『源氏物語』を読む……第5回 中の品の女

 第二巻の「帚木」で光源氏は17歳になっています。4歳年上の葵の上と結婚して5年になりますが、二人のあいだには子どももなく、なんとなく疎遠な感じです。舅である左大臣家にはたまにしか顔を出さず、内裏の住まいで過ごすことの多い源氏です。 ...
ネコふんじゃった

73)ピアノに魅せられた日々

 もう二十年くらい前になるだろうか。ある日、突然ピアノに魅せられた。独学でハノンなどの教則本にも取り組んだけれど、なんといっても弾きたかったのはバッハだ。それでゼンオンの『クラヴィーア小曲集』という、いちばん簡単なバッハのピアノ曲集を買っ...
源氏物語講義

現代文学として『源氏物語』を読む……第4回 物の怪(2)

 今日は物の怪の二回目、六条の御息所の物の怪が源氏の正妻である葵の上を取り殺すシーンを見てみましょう。「葵」という章で、数字でいうと第9章ということになります。葵の上は妊娠しています。結婚して10年目の懐妊ですから、ようやくといったところ...
ネコふんじゃった

72)洗練された大人のポップス

 まずジャケット。CDではちょっと雰囲気が出ないが、エドワード・ホッパーである。まだ日本ではほとんど紹介されていなかったころ。このジャケットのインパクトは大きかった。孤独な男と女の夜を見事に表現している。別の作品では池田満寿夫を使うなど、...
源氏物語講義

現代文学として『源氏物語』を読む……第3回 物の怪(1)

 『源氏物語』には物の怪がたくさん出てきます。「物の怪」というと、いまの若い人たちの多くは宮崎駿のアニメを思い浮かべるかもしれません。でもあの映画でモノノケの正体ははっきり明かされていませんよね。  古い時代には物の怪の「モノ」は物...
創作

骨笛

 少年は毎日、日が暮れると海辺に転がっている流木を集めて火を焚いた。荒波に洗われた木は、樹皮が削り取られて白い幹がむき出しになっていた。それは海に棲む巨大な生物の白骨を想わせた。漁船の燃料に使う油を、家の者に内緒で瓶に詰めて持ってきていた...
源氏物語講義

現代文学として『源氏物語』を読む……第2回 まぼろし

 『源氏物語』は最愛の人の死からはじまります。ときの帝は一人の更衣を溺愛している。更衣は身分の低い妃で、寝殿は内裏のなかでも北東の端(淑景舎)にあります。別名桐壷と呼ばれることから、この薄幸の更衣は桐壷更衣、彼女を愛した帝は桐壷帝と呼ばれ...
往復書簡

往復書簡・コロナ禍のなかで(1)

 森崎茂様。第一信  書簡、ありがとうございます。さっそく応答のかたちで第二信をさしあげます。これを書いているさなか、日本でもいよいよ三回目の接種がはじまりそうな流れになってきました。デルタ株が出てきて過去二回のワクチンが効かなくな...
源氏物語講義

現代文学として『源氏物語』を読む……第1回

 『源氏物語』は54巻(帖)よりなる主人公・光源氏を中心とした約70年の物語です。光源氏の一代記として読めば、第44巻の「雲隠れ」までは彼が生まれ、育ち、恋をし、流謫(須磨・明石に蟄居)と昇進(准太上天皇・39歳)を経験しながら、老いて死...
往復書簡

歩く浄土278:情況論75-Live/COVID-19をめぐって「片山恭一vs森崎茂」往復書簡1

第一信・片山恭一様(2021年9月6日)     1 なにかとんでもないことが人類史の規模で起こっている気がします。この衝迫感の正体をつかみたいというのが片山さんに往復書簡を呼びかけたモチーフです。いまなにが起きているか。新し...
ネコふんじゃった

71)ワールド・ミュージックへの扉

 まだ「ワールド・ミュージック」などという言葉のないころから、ぼくにとってライ・クーダーは世界中の様々な音楽への扉を開いてくれた人だった。アメリカ音楽のルーツであるブルースやマウンテン・ミュージック(アパラチア山脈の周辺で発達した音楽)は...
ネコふんじゃった

70)秋の木漏れ日のなかで

 グレイトフル・デッドは一九六五年にサンフランシスコで生まれたバンド。最初はワーロックスと名乗っていたらしい。このころの音源を聴くと、どこといって特徴のないブルース・バンドという印象を受ける。しかしながら、ときはドラッグ・カルチャーの隆盛...
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69)ギターの国、ブラジルの至宝

 ブラジルはギターの国だ。ボサ・ノヴァで活躍するのはもちろんのこと、サンバやショーロではカヴァッキーニョの呼ばれる四弦ギターが使われる。ルイス=ボンファ、ローリンド=アルメイダなど、広く名前を知られているギタリストも多い。 そんなな...
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68)UKレゲエ、最上の一枚

 日本で本格的にレゲエが紹介されはじめた七十年代後半、ぼくがいちばん好きだったのはマトゥンビというイギリスのバンドだった。第二次大戦後、多くのジャマイカ人が労働者としてイギリスに渡った。レゲエが若者の支持を集めるようになった七十年代中ごろ...
ネコふんじゃった

67)レゲエがいちばんレゲエらしかったころ

 三拍目にドラムスがアクセントを付け、二拍目と四拍目でギターやキーボードがしゃくり上げるようなリフを刻む。こうしたレゲエの基本的なリズムが確立されたのは、ボブ・マーレイ&ザ・ウェイラーズが『キャッチ・ザ・ファイヤー』を発表した一九七三年前...
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66)みんな一人になった

 中学生になって、いわゆる洋楽を聴きはじめたころ、ビートルズもサイモン&ガーファンクルもすでに解散していて、メンバーたちはそれぞれにソロ・アルバムを発表していた。グループやバンドというプレッシャーから解放されたせいか、ソロになってからの彼...
ネコふんじゃった

65)オルガンでボサ・ノヴァを

 まず「レイン・フォーレスト」というアルバム・タイトルがいいですね。ジャケットの写真は温室でしょうか、熱帯の植物や鳥をあしらった演出が、そこはかとないエキゾチズムを醸し出します。演奏者の名前と並べて、少し小さな文字で「ブラジル・ナンバー・...
まぐまぐ日記

まぐまぐ日記・2012年……(15)

4月9日(月)晴れ  午前中、「足音」を少し進めてから気功へ。今日は香椎宮にて外気功。桜はまだ残っている。境内の外れにいい場所を見つける。緩やかな斜面にソメイヨシノと枝垂れ桜が何本も生えており、その花がまさに満開だった。十人余りの生...
まぐまぐ日記

まぐまぐ日記・2012年……(14)

4月2日(月)晴れ  「まぐまぐ」のエッセー。午前中、気功。  復興と再生。自明のことのように言われるけれど、そのために原発の再稼働や増税が必要なら、復興も再生もしなくていい、という意見も当然あるだろう。実感の伴わない、空疎な...
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まぐまぐ日記・2012年……(13)

3月26日(月)晴れ  あいかわらず寒い。午前中、気功。小説に手を入れる。夕方、父を施設に送っていく。  そのあと天神にて、福岡ウォーカー編集長、秋吉さんの送別会。彼の人柄を反映して、たくさんの人が集まり、別れを惜しみ、新しい...
まぐまぐ日記

まぐまぐ日記・2012年……(12)

3月19日(月)曇り  今日は気功教室が休み。「永遠」を読み返して手を入れる。午後、父を施設へ送っていく。夜は剣道。  朝日新聞の吉本隆明の追悼文を高橋源一郎が書いている。それはいいのだけれど、ぼくは高橋の出現も含めて、吉本さ...
まぐまぐ日記

まぐまぐ日記・2012年……(11)

3月12日(月)晴れ  今日は寒い。「永遠」をつづける。午前中、気功。午後は歯科で、前回につづき歯垢を取ってもらう。今回はこれで終了。そのまま両親のマンションへ寄り、父に少しマッサージをほどこしてから、施設へ送っていく。夕方まで仕事...
まぐまぐ日記

まぐまぐ日記・2012年……(10)

3月5日(月)雨  午前中、「劫火」を少しやってから気功。帰ってから夕方までつづけて、なんとか「劫火」の手直しを終える。夜は剣道。 3月6日(火)曇り  すでに書いたところへ「劫火」を組み込んでみる。全体の構成はこんな具...
まぐまぐ日記

まぐまぐ日記・2012年……(9)

2月27日(月)曇り・晴れ  昨日に引きつづき「木霊」に手を入れる。まだ見通しが立たない。時間切れで気功教室へ出かける。  午後は父が入所している施設の定期面談。これは三ヵ月に一度、担当者よりケアプランなどの説明を受けるものだ...