あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(18)

18 林檎をデザインする  ジョブズのデザインへのこだわりは異常とも思えるほどだ。1976年にウォズニアックとアップル・コンピュータを立ち上げ、新製品としてアップルⅡの設計に取り組んでいたときのこと。彼はケースを通常の灰色をした不細...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(17)

17 いまさらながらのバイオグラフィー(後編)  アップルから追放されたあと、ジョブズはただちに新しい会社をつくる。アップルにたいする復讐心に燃えていたとも言われるが、ジョブズにしてみれば当然だろう。アップルを退社する際に、彼は5人...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(16)

16 いまさらながらのバイオグラフィー……その1  いまさらですが、ジョブズの簡単なバイオグラフィーを見ておこう。基本的にはオフィシャルな自伝とされているウォルター・アイザックソンの『スティーブ・ジョブズ』に依り、さらに長年にわたり...
ネコふんじゃった

53 最高にかっこいいロック・アルバム

 フランク・ザッパというと奇人変人のイメージが先行して、とくに日本では、彼の音楽が正当に評価されていない気がする。しかしアルバムを聴いてもらえばわかるとおり、非常に高い音楽性をもった、天才的なミュージシャンである。  あまりに才能が...
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あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(15)

14 ウォーホル、ベートーヴェン、ドストエフスキー、そしてジョブズ  もう何年か前のこと、時間つぶしにとある街のアップル・ストアに立ち寄った。新型のiPhoneが発売されたばかりだったのだろう。店内の壁一面に、色とりどりのスマートフ...
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ぼく自身のための広告(31)

31 父の杖  86歳になる母が、もう足が弱ってお四国の巡礼にも行かれないから、長年使ってきた杖を結願のお寺に奉納してきたいと言う。7年前に亡くなった父の杖もそのままになっている。じゃあ二本まとめてお納めしてくるか、ということになっ...
ネコふんじゃった

52 スティルス、才気爆発の一作

 かつてのバンド仲間だったニール・ヤングと、なにかにつけて比較されることの多かったスティーブン・スティルス。ぼくの贔屓はニール・ヤングだったけれど、才能があるのはスティルスだと思っていた。ギターもキーボードも上手いし、ハスキーな独特の声で...
ネコふんじゃった

51 生涯に出会った最高のロックバンド

 最初にザ・バンドの音楽に触れたのは、やはりボブ・ディランがらみだった。高校一年生の夏、ディランとザ・バンドのライブ・アルバムが発売になる。二枚組みのアルバムには、ザ・バンドを従えた力強いディランの歌と、それ以上に魅力的なザ・バン...
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ぼく自身のための広告(30)

30 ぼくのボブ・ディラン  ときどき遊びに行っているウクレレ教室で発表会をやることになった。お酒を飲みながら一人一曲ずつ演奏して歌う。ぼくはギターの弾き語りでしっとりと「イエスタデー」などやって、ご婦人方の涙腺をくすぐるつもりだ...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(14)

ホール・アースな問題(後半)  ここでいよいよダグラス・エンゲルバートが登場する。マウスの発明者として有名な彼は、バークレーでコンピュータ・サイエンスを専攻したのち、60年代にスタンフォード研究所(SRI)に職を得る...
ネコふんじゃった

50 はじめて買ったボブ・ディランのレコード

 ぼくたちが中学生のとき、「学生街の喫茶店」という曲がヒットしていた。歌っていたのはガロという名前の三人組。歌詞のなかに「片隅で聞いていたボブ・ディラン」という一節が出てくる。そのころから「ボブ・ディラン」という名前が気になってい...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(13)

13 ホール・アースな問題(前半)  ロラン・バルトは写真の登場について、人々が鏡で見るのとは違ったふうに自分自身の姿を見るようになったのは、歴史的にはごく最近のことであると述べている(『明るい部屋』)。フランス人のニエプスによって...
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「今日のさけび8月号、9月号」電子本同時発行。会員登録なしでどなたでも見れます

世界の中心で、愛をさけぶの作家、片山恭一の毎日発行のエッセイを月ごとにまとめました。
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(12)

12 誰もが普通に使えるコンピュータ  1906年に設立されたハロイド・コーポレーションはのちにゼロックスと社名を変え、その規模の拡大とともに幾つもの企業を買収していった。1969年にはコンピュータ会社を買収し、スタンフォードと隣り...
ネコふんじゃった

49 一瞬のアイコン

 高校を卒業するまで住んでいた街には、レコード屋が二軒あった。中学二年生の秋、これら二つの店に、突如として巨大なポスターが現れた。しかも店内のあちこちに、中吊り広告のように何枚も吊るしてある。それがこのT・レックス、『スライダー』のポスタ...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(11)

11 マンザナー強制収容所  砂のなかには恐竜の化石が埋まっている。本当に埋まっているのかどうか知らない。埋まっていそうな気がする。あたりを徹底的に掘りまくれば、きっと一体くらいは出てくるだろう。恐竜たちの化石の上をフリーウェイはつ...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(10)

10 林檎の木の下で  1960年代のはじめごろ、カリフォルニア南部ではサーフィンが大流行していた。サーファーたちの多くはバンドをやっていて、それなりに地元のファンをつかんでいたらしい。レコードとして残っているものはほとんどないから...
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ぼく自身のための広告(29)

『資本論』を通読したのは十代の終わりだったと書いたけれど、『源氏物語』も全巻を通して読んだのは二十代の終わりごろ。奥さんが持ってきた本のなかに、中央公論社から出ていた新書版の谷崎源氏があり、全10巻で別巻が1冊付いている。これを毎日少しずつ読んだ。
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(9)

9 世界を変える  アップルが世界的なパーソナル・コンピュータ企業になったころ、ジョブズは「コンピュータが一人一台の世界になれば何かが変わるはず、10人に一台の世界とはまったく違ったものになるはず、そう思ったから会社を作ったんだ」と...
ネコふんじゃった

48 こんなんジャズじゃない、と言われたものだけど

 ジャズを聴きはじめたころは、CTIというレーベルをなんとなく馬鹿にしていた。ブルーノートなどの由緒正しいジャズ・レーベルにくらべると、ちょっと軽いというか、ストリングスを多用したサウンドをはじめ、ジャケットも含めてムードミュージ...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(8)

8.シリコンバレー  午前8時、近くのスターバックスで朝食をとる。コーヒーとベーグル。温かいベーグルにチーズクリームを塗って食べると美味しい、ということをこちらに来てから発見した。美味しいので毎朝食べている。家ではヨーグルトと果物、...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(7)

7.クリスト・ドライブ2066  あたりは閑静な住宅地だ。平日の昼下がり、人通りはほとんどない。目的のガレージはすぐに見つかった。郵便ポストに「2066」と書いてある。その横に「立ち入り禁止」の看板が立ち、「防犯カメラが作動していま...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(6)

6.すい臓がんのイエス  神の子・イエスを生み出したのは、ローマ帝国に支配されたユダヤ人の絶望感だった。マルコたちによって書かれたイエスをめぐる物語が福音(良い知らせ)としてもたらされたころ、パレスチナはローマによって制圧され、ユダ...
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小説のために(下)発行しました。無料で読めます

小説のために全3巻が完成しました。こちらから無料で見ることができます。
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(5)

5.神をポケットに入れて  ジョブズのプレゼンテーションはすでに伝説になっている。製品の売上総額をプレゼンの時間で割った数字から「3分間で100億円を生む」とも言われた。1998年のiMac、2007年のiPhone、翌年のMacb...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(4)

4.「i」はindividualのi?  ジョブズが残した言葉は、いまなお不思議な魅力を湛えている。言葉と彼自身とのあいだに距離を感じさせない。本人が本気で、本心から言っていることが伝わってくる。そのため言葉が生きている。彼の公式バ...
ネコふんじゃった

47 大地の声に酔う

 ミルトン・ナシメントの名前をはじめて目にしたのは、ムーンライダーズの『ヌーヴェル・ヴァーグ』というアルバムに彼の曲が入っていたから。同じころ、ウェイン・ショーターの『ネイティブ・ダンサー』を聴いて、このブラジルのミュージシャンに興味を抱...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(3)

3.ジョブズの写真  手元に50枚ほどの写真がある。写真家の友人が送ってくれたデータをプリントしたものだ。1990年前後のものだそうだ。当時のジョブズはアップルを追放され、新しく立ち上げたネクストで苦戦していた。自らが創業した会社は...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(2)

2.1955年2月24日  父親はシリアからの留学生だった。母親はドイツ系移民の厳格な家庭に育った。ウィスコンシン大学の大学院生だった二人のあいだに生まれた子どもは、最初から養子に出されることがきまっていた。こうして彼の姓は「ジョブ...
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ぼく自身のための広告(28)

28 ヒッチコックの映画  あなたのいちばん好きな映画監督は? アルフレッド・ヒッチコックです。たしかに普段はフェリーニだのタルコフスキーだの、はたまたゴダールだのとスノッブなことを言っているけれど、正直なところ、彼らの映画をそうし...
あの日のジョブズは

あの日のジョブズは(1)

1.Where Are You ?  男を探している。 どこにいるのかわからない。どこを探せばいいのか見当もつかない。 重要なやつなのか? たぶんキリスト教徒にとってのイエスと同じくらい重要だ。イエスと同じように、彼も後の人々からは...
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ぼく自身のための広告(27)

27 ぼくの資本論  最近はプルーストのことなどを書いているけれど、『失われた時を求めて』を通読したのは一度だけで、二十代のときだ。その後は必要なところを読み返す程度である。これまでに読んだ長い作品は、他には『源氏物語』や『資本論』...
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「今日のさけび7月号」発行!小説のために(下)も発行間近。おたのしみに

「今日のさけび7月号」が発行されました。片山恭一が日々のあんなことやこんなことをつづったエッセイみたいなものです。
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ぼく自身のための広告(26)

26 ライ・クーダーの10曲  天草の下田温泉まで行ってきた。この忙しいのに、そんなことをしている場合じゃないんだけど、もう1ヵ月ほど前に家族と約束していたので仕方がないのだ。福岡から下天草までは車で5時間くらいかかる。往復で10時...
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ぼく自身のための広告(25)

25 小説のタイトルをめぐって  小説のタイトルをきめるときはたいていもめる。すんなりきまったものは少ない。編集者が考えてくれたタイトルに変えることもある。作品を書くのはぼくだけれど、それを本という商品として市場へ送り出すのは編集者...
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ぼく自身のための広告(24)

24 オーディオの話……③  ツーバイフォーが売り物のモダンな住宅メーカーでも、家を建てるときには神主を呼んで地鎮祭をやるようだ。やっぱり八百万の神々の国なんだなあ。ぼくたちは呪術に弱い、ということで庭に2メートル四方の鉄板を埋める...
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「今日のさけび」5月・6月号めでたく発行

今日のさけび5月・6月間号が同時発行しました!もちろんセカチュー・ボイス限定です。市販されておりません。みなさまに喜んでいただきうれしさのあまり調子にのって遊んだ結果、たまにさけび忘れる事がありましたがお許しください。決してまじで慢心など...
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ぼく自身のための広告(23)

23 ロック・ミュージック、生涯の5曲!  今日は日曜日なので、ロック・ミュージックのなかから、ぼくの生涯の5曲を選んでみようと思う。緊張するなア。だってロックを聴きはじめて40年、ロック・ファンとしての人生がかかっているからね。二...
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46 アンビエントな夜のために

 ブライアン・イーノが「アンビエント・ミュージック」というジャンルを作り出さなければ、この手の音楽との出会いはずっと遅れていただろう。いや、まったく出会わなかった可能性もある。そう考えると、イーノ先生に感謝です。  作者のハロル...