最新作を語る 『新しい鳥たち』について 最近、ときどきモーセの十戒のことを考える。ISなどによるテロが身近に報じられるようになった、ここ二年くらいのことだと思う。 『旧約聖書』の舞台は、まさにISやボコ・ハラムみたいな「ならず者」たちが跋扈している荒野である。力に物を言わせて乱... 2016.08.29 最新作を語る
最新作を語る 新作『なにもないことが多すぎる』を語る(Part7) k:一応、最終回ということにしよう。このままつづけていると、本体の小説よりも長くなってしまいそうだ。これから先のことを聞かせてください。新しい小説のプランとか。 K:その前に、前回の最後で「小説そのものに力がない。本当の希望になっていない」... 2016.05.16 最新作を語る
最新作を語る 新作『なにもないことが多すぎる』を語る(Part6) k:猫が死んだって? K:そうなんだよ。フクちゃんという7つの女の子なんだ。公園に捨てられていたのを、仕事帰りの長男が拾ってきて飼いはじめた。「フクちゃん」という名前は次男がつけた。長男はいま大阪にいるんだけど、連休で帰省するのを待っていた... 2016.05.12 最新作を語る
最新作を語る 新作『なにもないことが多すぎる』を語る(Part5) k:どうしてボブ・ディランだったの。 K:ちょっと回り道になるけど、最初から話すとね、原発事故が起こって、まず考えたのは福島の子どもたちのことだった。きっと不安を抱えて生きているだろうなって。放射能の影響について、たくさん情報が入ってくるか... 2016.05.05 最新作を語る
最新作を語る 新作『なにもないことが多すぎる』を語る(Part4) K:行き詰まったってことは、別の言い方をすると、何を書いても人間にたいする呪詛にしかならないってことだ。ぼくらはヨーロッパ的な思考のなかでしか、人間を考えてこなかった。そもそも「人間」という概念からして、近代ヨーロッパのものだしね。「人間」... 2016.04.21 最新作を語る
最新作を語る 新作『なにもないことが多すぎる』を語る(Part3) K:福島の原発事故はショックだった。この事故をどう考えればいいのか。とにかく勉強しなくてはと思った。それでマルクスの『資本論』を読み返しはじめた。 k:どうしてマルクスだったの。 K:別に誰でもよかったんだけど、すべてを根本的に考え直さなけ... 2016.04.17 最新作を語る
最新作を語る 新作『なにもないことが多すぎる』を語る(Part2) k:執筆の動機を教えてください。 K:急に他人行儀になるね。 k:もともと一人でやってるわけだから、他人行儀にならないと差別化できないだろう。 K:じゃあこうしよう。きみは一人称に「わたし」を使う。ぼくは「ぼく」を使う。これでちゃんと差別化... 2016.04.06 最新作を語る
最新作を語る 新作『なにもないことが多すぎる』を語る(Part1) k:タイトル変更があったんだって。 K:そう。4月刊行予定で3月に入ってからの変更だから、かなり土壇場だよね。プルーフ版はもとのタイトルで配られてたと思うよ。 k:『ブルーにこんがらがって』だったよね。それが『なにもないことが多すぎる』に。... 2016.04.03 最新作を語る