暑い夏は無理をせずに、デレデレと怠けて過ごすのがいつものスタイル。一ヵ月くらいは小説の執筆もお休み、まとめて本を読んだり、ノートをとったり、普段できないことをやってみる。リフレッシュにもなれば充電にもなり、一石二鳥である。
夏の読書には、やはり涼しげで軽めの音楽がいい。というわけで、久しぶりにセシリオ＆カポノのＣＤを取り出して聴いてみる。この二人、風貌こそ、タッグ・チームを組む悪役レスラーみたいだけれど、ぼくが大学生のころ（七十年代後半）には、さわやかなハーモニーとアコースティックなサウンドで、ハワイ出身のミュージシャンとしては、カラパナなどとともに日本でもけっこう人気があった。
この『ナイト・ミュージック』は彼らの三枚目。前二作には、西海岸の腕利きスタジオ・ミュージシャンたちが参加していたが、本作では、ほとんどハワイのミュージシャンたちがバックを務めているようだ。しかしサウンドは、前作までと同様に洗練されている。ウェスト・コーストの音をベースに、適度なハワイ風味が加わるといった感じ。二人のオリジナル曲の出来もいい。ボズ・スキャッグスの「二人だけ」のカバーも、全体の流れに気持ちよく収まっている。
プロデュースはブルース・ボトニック。当時はケニー・ロギンスやデイヴ・メイスンなどを手掛けていた。う～ん、シブイ。アレンジャーにニック・デカロの名前が見えるのも、ファンとしてはうれしいところ。（２０１０年８月）