kkatayama

ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(9)

9 執筆中  いま書いている小説の原稿。適当なところでプリントアウトして赤のボールペンで手を入れる。これは一回目。だからページ全体が真っ赤。少し先へ進んだところで、また最初から手を入れる。そんなことを何度も繰り返す。一年中ほぼ毎日。と...
九産大講義

第4回 源氏物語の世界

1.全体の構成  54巻(帖)よりなる主人公・光源氏を中心とした約70年の物語。源氏の一代記として読めば、最後の宇治十帖までは、彼が生まれ、育ち、恋をし、流謫(須磨・明石に蟄居)と昇進(准太上天皇・39歳)を経験しながら、老いて死ぬ話と言...
ネコふんじゃった

37 大好きな『大地の歌』だけれど

 今年のサイトウ・キネン・オーケストラのメイン・プログラムは、マーラーの交響曲第一番『巨人』だったそうだ。コンサートを聴きに行った友だちからその話を聞いて、このところまたマーラーを聴いている。もう二十年近く前になるだろうか、ずいぶん入れ揚げ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(8)

8 お酒の話  どうもお酒が好きで、困っちゃうなあ。別に困ることはないんだけど、つい飲み過ぎてしまうもので。なぜかなあ。年が明けると60歳なのに。還暦ですよ、いやはや。こういうことって学ばないものです。学習したことを忘れちゃうんだよね...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(7)

7 友だちのCD……②  高校時代からの友人、山本浩司くんが選曲・構成したCD。今日は内容をご紹介しよう。一曲目はジェイムス・テイラー、曲が「きみの笑顔」で「おやっ」と思ったのは、彼の場合、やっぱりワーナーのイメージが強いから。そうか、こ...
九産大講義

第3回 『万葉集』(後半)

6 草摘みの歌    『万葉集』には、春菜摘みの歌が数多くおさめられている。もともと草摘みは、天候の安定や豊作や村落の平穏無事などを祈願するために、共同体的秩序のもとで行われる予祝的な神事だった。この予祝は、神との約束を一定の条件のもと...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(6)

6 友だちのCD……①  高校時代からの友人がCDを送ってくれた。彼が選曲・構成したもので、タイトルは『東京・青山骨董通りの思い出』、ぼくの好きな主に70年代のロックやポップスがたくさん収録されている。ハイブリッドのSACD仕様なで音も良...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.8)

8 Walmartと人間  翌日も快晴。6時に目が覚めたので、昨夜登ったところまで一人で行ってみる。途中でカメラを担いで下りてくるボブと会った。朝5時ごろに起きて日の出の写真を撮ってきたそうだ。昨夜は午前2時まで星の写真を撮っていた。...
九産大講義

第2回 『万葉集』(前半)

1 どういう書物か  日本に現存する文学的な作品として、最古のものの一つで、主に「短歌」と呼ばれる三十一音の短い詩が集められている。短歌のほかに長歌と呼ばれる、もう少し長い詩も収録されているが、この形式はほとんど『万葉集』のなかにだけ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(5)

5 本棚……③  机に向かうと、この本棚を背にする格好になる。家を建てたときに造作家具として備えてもらった。できるだけたくさん収納できるものを、とお願いしたけれど、すぐにいっぱいになっちゃうんだな。棚板を調整することで上下幅を変えられ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(4)

4 本棚……②  三つ並べた本棚の右端には、思想・哲学関係の本が入っている。いちばん場所をとっているのはミシェル・フーコー。単行本に加えて講義集成と思考集成が隊列をなしている。同時代最大の思想家という評価は変わらない。ジル・ドゥルーズ...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(3)

3 本棚……①  今日はぼくの本棚をお見せしよう。机に坐って右手に、同じ本棚を三つ並べ、倒れてこないように金具で壁に固定してある。この本棚には自分のなかで評価の定まった人たちのものが集めてある。そのため全集や著作集など、まとまったもの...
九産大講義

第1回 『古事記』とはどのような書物か

(1) 成立  ・太安万侶の「序文」によると、712年。  ・天武天皇(40代)が舎人の稗田阿礼に「帝紀」「本辞」を誦み習わせた。  ・元明天皇(43代)が太安万侶に阿礼が誦習した本を撰録して献上するように命じた。 (2) 構成...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(2)

2 コーヒー  朝はだいたい6時から7時のあいだに起きて、まず庭で簡単な体操。それから剣道の素振り。これで15分か20分。つづいて朝食の支度。といってもリンゴ、バナナ、キウイフルーツなどを切るくらい。ぼくも家族も朝は果物を少々、あとは...
ぼく自身のための広告

ぼく自身のための広告(1)

1 机の上  ぼくが仕事をしている机の上はこんな感じ。ご覧の通り、なんの変哲もない。ただごちゃごちゃといろんなものが乗っかっているだけである。つまんない。まあ、仕事をするところだからね。面白おかしくなくてもいいのだ。  この机は、い...
ネコふんじゃった

36 生まれたときから、ずっと名盤

 このアルバムを最初に聴いたのは高校二年生の冬、友だちのY君の家だった。部屋の隅では、石油ストーブが燃えていた。ちょっとお腹が減ったので、Y君がゆで卵をつくってくれた。コーヒーを淹れて準備完了。レコードに針を下ろす、一曲目の「愛のゆくえ」が...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.7)

7 星空に抱かれて  午後11時にボブと一緒に星を見に行く。さすがに外は真っ暗だ。ロッジを出たときには、「なんだ、こんなものか」と思った。この程度の星空なら日本でも何度か見ている。だが一分ほど経って、暗闇に目が慣れてくると腰を抜かしそ...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.6)

6 善なるものの宿るところ  今夜は飲みに行こう、とやさしい言葉をかけてくれた師匠であったが、夕食を済ませると早々に写真を撮りに行ってしまった。まあ、ぼくだってそんなにいつまでもめそめそしていない。立ち直りの早い二人である。  夕食...
ネコふんじゃった

35 アイズレーが歩んできたロング&ワインディングな道

 最初に一言。彼らの場合、ジャケットには目をつぶらなければならない。どのアルバムも、ド派手なステージ衣装に身を固めた六人のあまり美しくない男たちが、「8時だヨ!全員集合」という感じで写っている。同じパターンが「これでもか」というくらいつづく...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.5)

5 青年はマウント・レーニアをめざす  ボブの運転する日産のレンタカーは一路、つぎの目的地をめざして走っている。昨夜の宿はシアトル郊外ベルヴュー(Bellevue)のホテルだった。今夜はマウント・レーニア国立公園(Mt.Rainier...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.4)

4 レジのないコンビニで買い物をする  坂垣巴留さんのコミック『BEASTARS』は動物たちを主人公とした学園ドラマである。中高一貫全寮制の学園では肉食獣と草食獣が危うい共存関係を保っている。あるときオスのアルパカが何者かに殺害される...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.3)

3 犬を連れて働く人たち  午前十一時半、シアトルは曇りだ。寝不足の頭と重いスーツケースを抱え、ぼくたちはシャトルバスでレンタカーセンターへ向かう。アメリカの空港はこんなふうにターミナルから少し離れたところにセンターがあって、エイヴィ...
ネコふんじゃった

34 水割りの味とトム・ウェイツ

 若いころは、ウィスキーの水割りを美味しいと思ったことはなかった。ああいうのは結婚式などで、時間つぶしに飲むものだった。最近は、焼酎でもウィスキーでも、お湯や水で薄く割ったものを好んで飲んでいる。歳のせいでしょうかねえ。  水割りの味をお...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.2)

2 いざ、シアトルへ  このところボブは、なんでもシンギュラリティにしてしまう。美味しいカレーを食べると、「おお、シンギュラリティ!」なんて叫ぶし、ボストン美術館にあるポール・ゴーギャンの絵も、彼に言わせるとシンギュラリティなのだそう...
ネコふんじゃった

33 いつもクールなデスモンドのサックス

 ポール・デスモンドというと、条件反射的に「テイク・ファイブ」の人ということになってしまうのは、致し方ないことかもしれない。彼の名前は知らなくても、あのメロディを耳にすれば、大半の人が「ああ、この曲か」となるはずである。ちなみに初演は、デイ...
The Road To Singurality

The Road To Singularity ~未知の世界を生きる(Ep.1)

1 新しい世界宗教  新しい宗教が生まれつつある。その名を「シンギュラリティ」という。ええっ! シンギュラリティって宗教なのか? その通り。シンギュラリティは21世紀の新しい宗教です。しかも70億を超える人類すべてを帰依させる力をもっ...
講演原稿

人間創生としてのシンギュラリティ

1 人間vs人工知能  AIにかんする議論を見ていて感じるのは、この世界がどこに向かっているのか、誰にもわからなくなっているということです。非常に大きな変動が起こっていることは間違いなのですが、世界規模で進行する変化の速さに多くの人がつい...
ネコふんじゃった

32 中学生がもらった一枚のはがき

 中学三年生の夏休みに、街のレコード屋さんから一枚のはがきが届いた。裏側に写真が印刷されていて、ストリート・ギャングみたいな柄の悪いお兄さんたちがこっちを睨んでいる。なんなんだ、この人たちは。  それはレコード会社が作ったプロモーション用...
ネコふんじゃった

31 クラシック音楽との出会い

 中学生のころは、よくラジオを聴きながら勉強していた。そこで耳にして、好きになった曲もたくさんある。デオダードの「ラプソディ・イン・ブルー」も、そんな曲の一つだ。  原曲はガーシュインのピアノ協奏曲。夢見るような美しいメロディが気に入った...
ネコふんじゃった

30 二人は別れてしまったけれど

 イギリスのフォーク・ロック・バンド、フェアポート・コンヴェンションの中心メンバーだったリチャード・トンプソンが、バンドを脱退した後に奥さんのリンダと結成した夫婦デュオの、これはラスト・アルバムにして最高傑作。  リチャードの個性的なギタ...
ネコふんじゃった

29 ヴァン・モリソンに駄作はない

 たぶん、ないと思う。そういうことにしておこう。駄作はない、と断言できないのは、三十枚以上出ている彼のアルバムを、すべて聴いたわけではないから。でも、半分くらいは聴いている。それで言えることは、どのアルバムも、やりたいこと、歌いたいことがは...
ネコふんじゃった

28 ジョン・セバスチャンは、たんぽぽみたいなミュージシャンです

 今年は一月が暖かく、このまま春になったのではありがたみがないな、と思っていたら、二月になってようやく寒くなってくれた。北国の人には叱られるかもしれないけれど、やっぱり冬はきちんと寒い方がいい。こちらは立春を過ぎると、風は冷たくても日差しは...
往復書簡

往復書簡「歩く浄土」(16)

第十六信・片山恭一様(2018年2月18日) 1  第十五信をいただいてからちょうどひと月になります。圧巻の内容でくり返し読みかえしました。よくつづくものだとふしぎですが、対話も五年目になりますね。熊本も今冬はいつもより寒かったので...
往復書簡

往復書簡「歩く浄土」(15)

第十五信・森崎茂様(2018年1月18日)  あけましておめでとうございます。今年も元気の出る、音色のいい言葉を紡いでいきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。  この往復書簡、去年(2017年)12月6日に森崎さんから...
ネコふんじゃった

27 冬の寒い朝に聴きたい、透明感あふれるデュオ

 ここ福岡では、雪が積もることは一年に一度あるかないか、氷が張るなんて事態は、もう何年も記憶にありません。やはり温暖化の影響でしょうか。ぼくが小学生のころには、郷里の四国でも、冬になるとよく氷が張っていました。池や水溜りに張った氷を割りなが...
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AIと恋・アイ

1  人間vs人工知能。この対立の構図自体は新しいものではありません。スタンリー・キューブリック監督の映画『2001年宇宙の旅』(1968年公開)では、宇宙船に搭載されたコンピュータ(HAL9000)が異常をきたし、自分を停止させようとす...
往復書簡

往復書簡『歩く浄土』(14)

第十四信・片山恭一様(2017年12月6日)  戦後の総敗北ということを、サイトの記事でも片山さんとの往復書簡でも取りあげ、しばらく考えてきました。その総仕上げとも言える柄谷行人の「憲法9条の存在意義 ルーツは『徳川の平和』」(毎日新...
ネコふんじゃった

26 あのころは毎日のように、ビリーの歌が聞こえていた

 あのころというのは、一九七七年から七八年ごろのこと。たとえば友だちの下宿やアパートを訪れる。するとFMラジオか何かから、『はぐれ刑事純情派』みたいな口笛が流れてくる。そしてはじまる「ストレンジャー」。もういい加減にしてくれ! と思うころに...
往復書簡

往復書簡『歩く浄土』(13)

第十三信・森崎茂様(2017年11月23日)  11月はじめにアメリカのトランプ大統領が来日して、6日に安倍首相と会談しました。翌日の新聞に共同会見の内容が出ていましたが、そのなかで安倍首相は北朝鮮問題について「今後取るべき方策につい...
往復書簡

往復書簡『歩く浄土』(12)

第十二信・片山恭一様(2017年11月4日)  この往復書簡も第十二信となります。これまで4年近く片山さんと集中した討論をやってきて、言葉が噛み合うようになったという感じをもっています。ぼくたちが討論していることは、これまでだれも考え...