往復書簡『歩く浄土』(4)

第四信・片山恭一様(2017年9月6日)  メキシコはどうでしたか。ドン・ウンィズロウの『犬の力』や『ザ・カルテル』の雰囲気はありましたか。第三信の結びで片山さんは「いかに人間の未来を思い描くかによって、来るべき世界はユ […]

往復書簡『歩く浄土』(3)

第三信・森崎茂様(2017年8月30日)  さっそく返信をいただき、ありがとうございます。第二信の最後で言及されていた、俗と非俗のあいだのわずかな隙間ということ、とても微妙で難解ですが、大切なところですね。このわずかな隙 […]

往復書簡『歩く浄土』(2)

第二信・片山恭一様(2017年8月27日)  2017年8月18日に片山さんと熊本で話をしたとき、お互いの言葉もこなれてきたので、往復書簡をやりませんかと呼びかけ、その第一信が送られてきた。定期的に熊本と福岡を往復しなが […]

往復書簡『歩く浄土』(1)

第一信・森崎茂様(2017年8月24日)  往復書簡をはじめるにあたり、これまでの流れを少し整理してみたいと思います。ぼくたちの対話も四年目に入り、当初にくらべると、ずいぶん見通しがよくなったことを実感しています。すでに […]

文学のことば・文学のまなざし

 日本では去年(2016年)7月、神奈川県の知的障害者福祉施設に元職員の男が侵入して、刃物で19人を刺殺、26人に重軽傷を負わせるという事件が起きました。事件から一年が経ち、被害者の父親の一人がインタビューに応じたものが […]

小説のために(第十話)

 ブラインド・ウィリー・マクテルの「Statesboro Blues」を聴く。オールマン・ブラザーズ・バンドで有名な曲だけれど、同じ曲と言われても同じに聞こえない。ウィリー・マクテルの原石に磨きをかけてスリリングなロック […]

小説のために(第九話)

6  ナチスの政権下、ヒトラーをはじめゲーリング、ヒムラーなどの閣僚が、フルトヴェングラーの指揮するベートーヴェンの第九交響曲を聴いて、全員が涙を流すほど感動したという。ゲッペルスが日記に記している。作り話ではないだろう […]

医学の常識・非常識(1)

(1)がん検診をめぐる常識・非常識 【前立腺がん】 ・アメリカで実施された比較試験(約8万人の男子が対象)では、無検査・放置群とPSA(前立腺特異抗原)検診とを比べた結果、検診群の前立腺がん死亡数は減らなかった。(JNC […]

小説のために(第八話)

5  円空仏も木喰仏も、多くの人の手に触られ、つるつるになったり、すり減ったりしているものが多いという。距離を置いて眺めるのではなく、手で触って感触を楽しむ仏像。親しみがあって身近。村人が具合の悪いときに借り出し、枕元に […]

なお、この星の上に(25)

25  久しぶりの帰郷には通夜か葬式の気分が伴った。故郷といっても、帰る家もなければ存命の者もいない。十年ほど前に父が亡くなったあと、一人になった母を呼び寄せて夫婦で面倒をみていた。その母も数年前に施設で亡くなっている。 […]