2月20日(月)曇り・晴れ
午前中は気功。2月から大極杓気功といのをやっている。文字通り長さ30センチほどの杓を使った気功である。大極棒気功というのもあり、これはもっと太い棒を使う。そのため少し武術的な香りが強くなる。いずれも気功の場合、動きはあくまで気を誘導するためのイメージであり、けっして実践的なもの、あるいは体操的なものではない。
午後からサウンドマックの大黒さんがオーディオの調子を見にきてくれる。ユニバーサル・プレイヤーがSACDを読むときにエラーを起こすことが多くなった。ピックアップの交換が必要かもしれないが、とりあえずクリーニングをして様子を見ることになる。
リビングのオーディオはすべてリンの製品で、サラウンド・システムを組んでいる。インストールをしてくれたのが大黒さんである。彼のサウンド・ポリシーに共感し、ついでにリンの製品にも惚れ込むことになった。その大黒さんも67歳、3月いっぱいで廃業を決意された。で残念であるが、引きつづき個人的にメインテナンスをお願いしようと思っている。
ブログに「経済学・哲学草稿ノート」をアップする。不定期に何回かつづけるつもりだ。原子力の問題は、エコロジーでは解けないと思っている。もっと人間の本性に目を向けて、原子力を根本的に超えるための思考の構築を目指す。夜は剣道。
2月21日(火)曇り
いま書いている小説の、これまでに書いたところを読み返す。前にNTTドコモから配信した『彼女の本当の名前』と、いま「まぐまぐ」に書いている『愛についてなお語るべきこと』を合体させて、『愛について……』のタイトルで刊行しようと思っている。長さは1200枚くらいになりそうで、これまでに1000枚くらい進んでいる。読み返すだけでも大変だ。ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴きながら進める。
夜は『カジノ・ロワイヤル』を観る。先日観た『嵐が丘』にデヴィッド・ニーブンが出ていてので、ふと思い出して観たくなった。前に観たときはつまらなくて途中でやめたが、今回は最後まで楽しめた。007のパロディとしては、良くできているのではないだろうか。ピーター・セラーズをはじめデボラ・カー、オーソン・ウェルズ、ウィリアム・ホールデン、ウルスラ・アンドレスといった豪華キャストも見どころ。出番は少ないが、やはりウッディ・アレンの演技が突出している。ぼくの好きなジャクリーン・ヴィセットが出ているのもうれしい。どこかにピーター・オトゥールも出ているはずだが、確認できず。
2月22日(水)曇り・雨
面白い! ぼくの小説。ようやく全体の半分を読み終えたところだが、あらためて自分の小説がいちばん面白いとの思いを強くする。ぼくはぼくにとって最高の読者だ。ありがとう、ぼく。この一人の読者がいるかぎり、小説を書きつづけるだろう。夜は剣道。
2月23日(木)曇り・晴れ
今日も自分の書いた小説を読み返しながら、手を入れる。思ったよりも時間がかかる。やはり後半に進むにつれて、こなれてない部分が多くなり、修正が必要となるためだ。じっくり時間をかけてやるしかないだろう。
森本恭正『西洋音楽論~クラシックに狂気を聴け』(光文社新書)が面白い。「ヨーロッパ音楽は基本的にアフタービートである」とか「装飾を拒否するためにモーツァルトは装飾音を書いた』とか、まさに目からウロコの連続だ。
暖かいので、久しぶりに海岸を散歩。夜はジョン・フォードの『荒野の決闘』を観る。有名なアイアット・アープとクラントン一家のOK牧場での決闘を描いた作品。ヘンリー・フォンダのワイアット・アープは純情で品がいい。現実のフォンダは女癖が悪かったそうだが。(だからジェーンもピーターもぐれちゃった?)それにしても『荒野の決闘』という邦題はいただけない。内容的には、やはり原題の『いとしのクレメンタイン』だろう。
2月24日(金)晴れ
小説をつづける。難航。とくに「まぐまぐ」に連載中のものは、現在進行中だけに不消化の部分が目につく。かなり手を入れる必要あり。
福岡ウォーカーのエッセーを書く。いま連載している「レコードのある風景」で、今回はローリング・ストーンズの『メイン・ストリートのならず者』を取り上げる。このレコードを買ったのは、ぼくが中学2年生のとき。1972年の2月だったと思う。連日のように連合赤軍事件がテレビや新聞で報道されていた。浅間山荘の銃撃戦からリンチ殺人へと発展していく事件は、中学生ながら陰惨だなあと思った。山中から掘り出される遺体の写真が、新聞に大きく載っていたのをおぼえている。夜は剣道。
2月25日(土)曇り
午前中、小説に手を入れつづける。次男は就職説明会のため大阪へ。これまでに東京へ1回、大阪へは2回。その都度、飛行機や新幹線を使うので旅費だけでも馬鹿にならない。面接というわけではなく、あくまで会社説明会らしい。買い手市場ということだろうが、人を馬鹿にした話だ。そんな企業はみんな潰れてしまえばいい。
午後は剣道の稽古へ。夕方まで仕事をつづけ、夜はゴダールの『気狂いピエロ』を途中まで。この映画、ときどき無性に観たくなる。
2月26日(日)曇り
小説は第9章の「木霊」でてこずっている。通して読むと、この章で流れが悪くなっているのがわかる。とくに後半の会話はかなり書き改める必要あり。
夕方、梅田さん宅を訪問。栄ちゃんの小説を返しに行き、ついでに感想を少し話す。いくつか改稿のアイデアを出したが、参考になったかしらん。
夜は中洲のイタリアンで、次男の誕生会をする。はじめての店だったが、なかなか美味しかった。なんとなく三人とも盛り上がり、久しぶりにカクテルを飲みに行くことに。中洲の「カチューシャ」は馴染みの店で、一時期はわりとよく行っていた。幸運にも、今夜はマスターの鎌田さんが店に出ておられた。最近は若手にまかせていることが多いので、本当に久しぶりだ。
ホテルのカクテル・ラウンジなどでショート・カクテルをたのんでも、がっかりすることが多いので、無難なワインやウイスキーを飲むことがふえてしまった。その点、鎌田さんの作ってくれるカクテルは、正真正銘に美味しい。マティーニ、サイドカー、マルガリータ、どれも絶品だ。次男もコスモポリタンやダイキリをたのんでいた。2月のオリジナル・カクテル「バレンタイン」は、チョコレート・リキュールを使って甘く仕上げてあり、なかなか美味なり。思いがけず、カクテルを堪能した夜でした。