84)犬もうたっている?

ネコふんじゃった
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 ニッティ・グリッティ・ダート・バンド(NGDB)は、もともとアメリカのオールド・タイム・ミュージックを演奏するジャグ・バンドとして1960年代の半ばにスタートした。一時期はジャクソン・ブラウンもメンバーだったことがある。その後、ブルーグラスやブルースを基調とした、独自のカントリー・ロックを追求して人気者となり、1973年夏には日本へもやって来る。当時、中学三年生だったぼくは、地元愛媛のローカル局が、松山公演のCMを頻繁に流していたのをおぼえている。

 この『アンクル・チャーリーと愛犬テディ』は、1970年に発表された彼らの代表作。ギター、ベース、ドラムスの他にバンジョーやフィドル、マンドリン、ハーモニカ、アコーディオンなどを器用に操りながら、リラックスした雰囲気のなか、古き良き時代のアメリカ音楽を聴かせてくれる。曲によってウォッシュボード(洗濯板)やウォッシュタブ・ベース(洗濯桶とモップで作ったベース)が登場するあたり、ジャグ・バンドとして出発した彼らのルーツをうかがわせる。

 ジャケットに映っているのが、メンバーに慕われていたらしいアンクル・チャーリーと愛犬テディである。アルバムには「アンクル・チャーリーのインタビュー」という曲(?)が入っていて、ハーモニカにあわせて、チャーリーがテディに歌をうたわせようとする。この心温まるイントロにつづいて「ミスター・ボージャングルズ」がはじまるところは、何度聴いても思わず頬が緩んでしまう。(2009年10月)