48 こんなんジャズじゃない、と言われたものだけど

ネコふんじゃった
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 ジャズを聴きはじめたころは、CTIというレーベルをなんとなく馬鹿にしていた。ブルーノートなどの由緒正しいジャズ・レーベルにくらべると、ちょっと軽いというか、ストリングスを多用したサウンドをはじめ、ジャケットも含めてムードミュージック的なところがあった。

 あれから三十年、四十年と経ってみて、このレーベルに残された作品の多くが、いまだに鮮度を失っていないことに驚く。いわゆる「あの時代の音」になっていない。去年あたりに出た新譜という感じで聴ける。長く聴きつづけているのに飽きがこない。昔よりも、かえって新鮮に聴こえたりもする。

 このアルバムも、CTIを代表する一枚と言えるだろう。ジム・ホール(ギター)のリーダー作だけれど、その他のメンバーがすごい。まずフロントがチェット・ベイカー(トランペット)にポール・デスモンド(アルト・サックス)。リズムセクションはおなじみロン・カーター(ベース)とスティーヴ・ガッド(ドラムス)。なんとかっこいいメンバーだろう。ピアノにローランド・ハナというのが、これまたしぶい。

 一曲目が伝説的な名演。この曲、ヘレン・メリル&クリフォード・ブラウンやアート・ペッパーなど、名演が多い。それらと肩を並べる。メインディッシュは「アランフェス協奏曲」。こちらもマイルスとギル・エヴァンスによる超名演がある。でも、そこはCTI。あれほど深刻ではなく、あくまで軽やかに、リリカルに仕上げている。残り二曲も美味。秋の夜長におすすめです。(2009年10月)