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22 ロック・ギターのベスト・プレイ

 中学生のときから40年近くロックを聴いてきた。いちばんロックを感じさせる楽器は、やっぱりギターかな。そこで今日は心に残るギター・プレイを選んでみよう。オールタイム・ベストってやつである。たちどころに5つのテイクが頭に浮かんだ。それほど強い印象を、これらのプレイはぼくのなかに残している。

  1. Amos Garrett 「Midnight At The Oasis」(Maria Muldaur)
  2. Lowell George 「Your Bright Baby Blues」(Jackson Browne)
  3. Nils Lofgren 「Speakin’Out」(Neil Young)
  4. Andy Partridge 「Ten Feet Tall」(XTC)
  5. Robbie Robertson 「Unfaithful Servant」(The Band)

 どうです、素晴らしいじゃありませんか。短くコメントしてみよう。エイモス・ギャレットのプレイは聴いた者を幸せにしてくれる。音のファンタジー。はじめて聴いたときから、もう何百回も聴いているけれど飽きない。その都度新鮮。宇宙でいちばん素敵なギター。1973年のアルバム『マリア・マルダー』に収録。

 ローウェル・ジョージとリトル・フィートはぼくのフェイヴァリット・ミュージシャン、フェイヴァリット・バンド。ソングライター、ヴォーカリスト、プロデューサー、いずれにおいても秀でたローウェルだが、ギター・プレイというと真っ先にこれが思い浮かぶ。一発入魂のギター。長々と弾かないところがいい。冷たい情念は狂気さえ感じさせる。『プリテンダー』(1976年)に収録。

 ニール・ヤング史上もっとも生々しい1975年のアルバム『今宵その夜』のハイライト。飲んだくれたニールの歌もピアノもよれよれだけれど、それをぐっと引き締めるニルスのギター。彼は素面だったのか?「オールライト・ニルス!」の掛け声と、それに応えるプレイがかっこいい。このアルバム、「メロー・マイ・マインド」(シンプリー・レッドによる秀逸なカバーあり)、「アルバカーキ」など名曲満載。

 このアンディ・パートリッジのギターを聴いときには本当にびっくりした。これまでにまったくない新しいスタイルのプレイだったからだ。アイデアに溢れている。ギターの演奏に知性を感じたのは、このときがはじめてだった気がする。1979年の『ドラムズ・アンド・ワイヤーズ』から。コリン・ムールディングっていい曲を書くなあ。エンジニアはスティーヴ・リリーホワイト、いまとなっては懐かしい音だ。

 最後はやっぱりザ・バンド。ぼくが生涯愛しつづけるバンド。『ロック・オブ・エイジズ』は誰が何と言おうと最強のロック・アルバムだ。1971年12月28~31日にかけてニューヨークのアカデミー・オブ・ミュージックでライブ・レコーディングされ、1972年の夏に発売された。ぼくが聴いたのは1974年で高校一年生の夏。ロックの盟友、山本浩司くんがレコードを貸してくれた。一聴してロビーのギターにしびれた。普通はバカにされるからあまりやらないトレモロを多用、ピックではじいた弦を爪にあててミュートさせている。そんなに難しいテクニックじゃないんだけど、鳥肌が立つほどカッコいい。その後長く、ロビー=命の日々を送る。

 ロックっていいな。この世界にロック・ミュージックがあってよかったなあ。それだけで生まれてきて丸儲けって気分だ。モーツァルトの時代にはなかったんだぜ。いまを生きる幸せ。いつかまた別のオールタイム・ベストを選んでみたい。(2019.5.17)