往復書簡

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往復書簡・コロナ禍のなかで(1)

森崎茂様。第一信  書簡、ありがとうございます。さっそく応答のかたちで第二信をさしあげます。これを書いているさなか、日本でもいよいよ三回目の接種がはじまりそうな流れになってきました。デルタ株が出てきて過去二回のワクチンが効かなくなったから必...
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歩く浄土278:情況論75-Live/COVID-19をめぐって「片山恭一vs森崎茂」往復書簡1

第一信・片山恭一様(2021年9月6日)     1 なにかとんでもないことが人類史の規模で起こっている気がします。この衝迫感の正体をつかみたいというのが片山さんに往復書簡を呼びかけたモチーフです。いまなにが起きているか。新しい世界システム...
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往復書簡「歩く浄土」(16)

第十六信・片山恭一様(2018年2月18日) 1  第十五信をいただいてからちょうどひと月になります。圧巻の内容でくり返し読みかえしました。よくつづくものだとふしぎですが、対話も五年目になりますね。熊本も今冬はいつもより寒かったのですが、も...
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往復書簡「歩く浄土」(15)

第十五信・森崎茂様(2018年1月18日) あけましておめでとうございます。今年も元気の出る、音色のいい言葉を紡いでいきたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。 この往復書簡、去年(2017年)12月6日に森崎さんから第十四信をい...
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往復書簡『歩く浄土』(14)

第十四信・片山恭一様(2017年12月6日)  戦後の総敗北ということを、サイトの記事でも片山さんとの往復書簡でも取りあげ、しばらく考えてきました。その総仕上げとも言える柄谷行人の「憲法9条の存在意義 ルーツは『徳川の平和』」(毎日新聞20...
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往復書簡『歩く浄土』(13)

第十三信・森崎茂様(2017年11月23日) 11月はじめにアメリカのトランプ大統領が来日して、6日に安倍首相と会談しました。翌日の新聞に共同会見の内容が出ていましたが、そのなかで安倍首相は北朝鮮問題について「今後取るべき方策について、完全...
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往復書簡『歩く浄土』(12)

第十二信・片山恭一様(2017年11月4日)  この往復書簡も第十二信となります。これまで4年近く片山さんと集中した討論をやってきて、言葉が噛み合うようになったという感じをもっています。ぼくたちが討論していることは、これまでだれも考えたこと...
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往復書簡『歩く浄土』(11)

第十一信・森崎茂様(2017年10月26日)  いまの時代を象徴するものとして、あらためてスマホを取り上げます。前回の書簡で触れた、一心にスマホをする若い人たちについて、森崎さんは「ああ、かれらはかつてのおれだ」という引き寄せ方をしておられ...
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往復書簡『歩く浄土』(10)

第十信・片山恭一様(2017年10月15日)  片山さんから第9信をいただき読み始めて、すぐにハッと胸を衝かれたことがあったので、そこから往復書簡の第10信を書きます。皆が一心にスマホに没入することと北朝鮮危機に便乗することは同じことではな...
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往復書簡『歩く浄土』(9)

第九信・森崎茂様(2017年10月12日)  やはり最初に、2017年10月22日に投票がおこなわれる衆議院選挙について触れないわけにはいきませんね。森崎さんも10月8日付けのブログ(「歩く浄土」201)で、「いずれの政党も支持しない」と態...
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往復書簡『歩く浄土』(8)

第八信・片山恭一様(2017年9月24日)  わたしたちの思考の慣性は自己意識の用語法を観念の自然としている。この自然はわたしたちの存在を自己と対関係や家族と社会関係に類別します。この表現の全体をわたしは意識の外延表現と呼んできました。歴史...
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往復書簡『歩く浄土』(7)

第七信・森崎茂様(2017年9月20日)  メキシコから一週間ぶりに帰ってくると、メディアは民進党の女性議員の不倫問題と皇室の娘さんの婚約発表で沸き立っていて、なんだ、なんだ、この国はいったいどうなっているんだ、とにわかに状況に順応できない...
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往復書簡『歩く浄土』(6)

第六信・片山恭一様(2017年9月12日) 1  ポール・ゴーギャンが19世紀に描いた「われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか」とタイトルがつけられた絵があります。イスラエル人の歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ...
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往復書簡『歩く浄土』(5)

第五信・森崎茂様(2017年9月7日)  メキシコに行ってまいりました。いや~、楽しかったなあ。三日間、シティの中心部をうろうろしていただけなので麻薬カルテルの影はなし、危険な目に遭うこともなく、ひたすらリベラ、シケイロス、オロスコなどの絵...
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往復書簡『歩く浄土』(4)

第四信・片山恭一様(2017年9月6日)  メキシコはどうでしたか。ドン・ウンィズロウの『犬の力』や『ザ・カルテル』の雰囲気はありましたか。第三信の結びで片山さんは「いかに人間の未来を思い描くかによって、来るべき世界はユートピアにもなればデ...
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往復書簡『歩く浄土』(3)

第三信・森崎茂様(2017年8月30日)  さっそく返信をいただき、ありがとうございます。第二信の最後で言及されていた、俗と非俗のあいだのわずかな隙間ということ、とても微妙で難解ですが、大切なところですね。このわずかな隙間から、アーレントの...
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往復書簡『歩く浄土』(2)

第二信・片山恭一様(2017年8月27日)  2017年8月18日に片山さんと熊本で話をしたとき、お互いの言葉もこなれてきたので、往復書簡をやりませんかと呼びかけ、その第一信が送られてきた。定期的に熊本と福岡を往復しながら対話を持続してきて...
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往復書簡『歩く浄土』(1)

第一信・森崎茂様(2017年8月24日)  往復書簡をはじめるにあたり、これまでの流れを少し整理してみたいと思います。ぼくたちの対話も四年目に入り、当初にくらべると、ずいぶん見通しがよくなったことを実感しています。すでに何度か触れたように、...