九産大講義

第6回 松尾芭蕉

1 芭蕉の生涯  寛永21年(1644年)、伊賀上野(三重県上野市)に生まれる。地侍程度の身分で、郷士(武士の待遇を受けていた農民)のようなものだったらしい。その後の年譜には不明なところが多い。父の死後、武家に仕官してい […]

第5回 能楽~夢幻能を中心に

1 基本的な知識 約650年前の室町時代、観阿弥(1334~84)、世阿弥(1363~1443)の親子によって大成された。奈良時代に日本に入ってきた唐の大衆芸能である「散楽」が日本風に「さるごう」と呼ばれ、それが「猿楽」 […]

第4回 源氏物語の世界

1.全体の構成  54巻(帖)よりなる主人公・光源氏を中心とした約70年の物語。源氏の一代記として読めば、最後の宇治十帖までは、彼が生まれ、育ち、恋をし、流謫(須磨・明石に蟄居)と昇進(准太上天皇・39歳)を経験しながら […]

第3回 『万葉集』(後半)

6 草摘みの歌    『万葉集』には、春菜摘みの歌が数多くおさめられている。もともと草摘みは、天候の安定や豊作や村落の平穏無事などを祈願するために、共同体的秩序のもとで行われる予祝的な神事だった。この予祝は、神との約束を […]

第2回 『万葉集』(前半)

1 どういう書物か  日本に現存する文学的な作品として、最古のものの一つで、主に「短歌」と呼ばれる三十一音の短い詩が集められている。短歌のほかに長歌と呼ばれる、もう少し長い詩も収録されているが、この形式はほとんど『万葉集 […]

第7回 フィクション(3)

②童話性  つぎに宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を見てみましょう。主人公の名前はジョバンニ、親友がカムパネルラで、ザネリという同級生がいます。「いったいどこの話だ?」と思いますよね。ジョバンニはお父さんが不在で、お母さんは病 […]

第6回 フィクション(2)

 前回にひきつづきフィクションについてお話します。フィクション(虚構)の反対はファクト(事実)です。ノンフィクションでは、あくまでファクト(事実)が重視される。事実によって書き換えられ、更新されていきます。新しい事実によ […]

第5回 フィクション(1)

 これから何回かにわたって虚構、つまりフィクションの話をしようと思います。大きな本屋さんへ行くと、フィクションとノンフィクションというふうに棚を分けているところがありますね。小説はフィクションです。では、フィクションとは […]

第4回 空間

 ここ何回か、小説の構造ということで授業を進めています。最初に語り手についてお話ししました。幾つかの作品の冒頭を引用しながら、それぞれ語り手のタイプが異なることを見てきました。カフカの『変身』のように、現実には起こりえな […]

第3回 時間

 今日は小説のなかの時間について話をします。ちょっと難しく感じられるかもしれませんが、できるだけわかりやすくお話ししてみます。  単純なやつからいきましょう。みなさんは『今昔物語』をご存知でしょう。芥川龍之介の「鼻」が『 […]