今年は一月が暖かく、このまま春になったのではありがたみがないな、と思っていたら、二月になってようやく寒くなってくれた。北国の人には叱られるかもしれないけれど、やっぱり冬はきちんと寒い方がいい。こちらは立春を過ぎると、風 […]
ネコふんじゃった
27 冬の寒い朝に聴きたい、透明感あふれるデュオ
ここ福岡では、雪が積もることは一年に一度あるかないか、氷が張るなんて事態は、もう何年も記憶にありません。やはり温暖化の影響でしょうか。ぼくが小学生のころには、郷里の四国でも、冬になるとよく氷が張っていました。池や水溜り […]
26 あのころは毎日のように、ビリーの歌が聞こえていた
あのころというのは、一九七七年から七八年ごろのこと。たとえば友だちの下宿やアパートを訪れる。するとFMラジオか何かから、『はぐれ刑事純情派』みたいな口笛が流れてくる。そしてはじまる「ストレンジャー」。もういい加減にして […]
25 冬の夜は暖かい部屋でウィリー・ネルソンを聴こう
カントリーの人である。カントリー・ミュージックというのは日本の民謡みたいなもので、ぼくのような者にはみんな同じに聞こえる。だから、どうしても敬遠してしまう。このアルバムは、あまりカントリーっぽくない。誰でも安心して(? […]
24 ジョージ・マーティンのちょっといい仕事
「名前のない馬」の大ヒットで華々しいデビューを飾ったアメリカの、これは四枚目のアルバム(一九七四年発表)。本作から、ビートルズの育ての親であるジョージ・マーティンをプロデューサーに迎える。さわやかなアコースティック・サ […]
23 秋にはJTのアルバムを一枚ずつ聴いてみる
最初に買ったジェイムス・テイラーのアルバムが、この『ワン・マン・ドッグ』だった。中学三年生の秋である。ビートルズが設立したアップル・レコードからデビューするものの、セールス的には振るわず、新たにワーナー・ブラザーズと契 […]
22 サンプラー盤を買っていたころ
中学三年生のときのオイルショックで、それまで二千円だったLPレコードが二千五百円になった。おこずかいは月に二千円だったので、五百円の値上げは痛かった。欲しいレコードはたくさんあるのに……。 そのころ幾つかのレコード会 […]
21 夏休みに離島で聴いたジョージ・ベンソン
大学生になって夏休みに帰省すると、高校時代の友だちとよくキャンプに行った。郷里の街は海に面しており、船で行けるキャンプ場が何箇所かあった。その年はY君と二人で日振島というところへ行くことにした。高速艇で一時間くらいの、 […]
20 世界仕様、日本のロックの金字塔
大学院に進学して間もないころ、ロック好きの先輩が、「これ聴かんと後悔するばい」と言って、一枚のレコードを貸してくれた。針を落としてから最後の曲が終わるまでの四十分間。打ちのめされた。とくに「マラッカ」と「つれなのふりや […]
19 今年は三十一回忌
「夏の日の恋」でおなじみのパーシー・フェイス。ジャンルでいうとムード・ミュージックやイージー・リスニングといったくくりになるかと思う。しかしヨーロッパ音楽からはじまり、ミュージカル、ラテン、映画音楽、さらに晩年にはキー […]
18 ベスト盤についての一考察
レコードからCDになって、ベスト盤がつまらなくなった、と感じているのは私だけだろうか。かつてLPの時代には、ベスト盤の名盤がたくさんあった。サイモン&ガーファンクルの『グレイテスト・ヒッツ』やジョン・レノンの『シェイヴ […]
17 世界でいちばん美しいCD
アルゾ。本名アルフレッド・アフランティ。ニューヨーク生まれの彼は、十代のころからグリニッジ・ヴィレッジのカフェなどで音楽的なキャリアを積んでいく。様々な困難を乗り越えて、ようやくデビュー・アルバムの発売にこぎつけたのが […]