なお、この星の上に(10)

4  澄みきった透明な水音が森の木々のあいだを流れていく。川底の石はまだ眠りから覚めていない。静まり返った森のなかで、蜘蛛はじっと獲物がやって来るのを待っている。この時期、巣に掛かってくれる虫は少ない。苦労して張りめぐら […]

なお、この星の上に(9)

 風のない静かな夜だった。窓に引いたカーテンの向こうが明るんでいるのは、月が出ているからだろう。今夜あたりは満月かもしれない。先ほどから、庭の井戸のあたりで小さな音がしている。それが耳について、健太郎は眠ることができなか […]