41 素直に聴けなかったプログレッシブロック

 高校生のころ、大人になっても絶対に真似するまいと思ったのは、ゴルフとプログレ系のファッションだった。パッチワークをあてたジーンズにチェックのシャツという、ニール・ヤングのファッションを最高と思っていた当時のぼくには、彼らのセンスは許しがたいものだった。

 とりわけイエスとエマーソン・レイク&パーマー(EL&P)には、しばしば言葉を失った。本人たちはカッコイイと思っているらしいことも、事態を一層深刻にしていた。イエスの『こわれもの』や『危機』は好きだったけれど、恥ずかしくて、友だちにはレコードを持っていることを知られたくなかった。

 EL&Pの場合は、NHKテレビで放映された『展覧会の絵』が致命的だった。とくにキース・エマーソンときたら、上半身裸でキーボードを相手に器械体操まがいのパフォーマンス、挙句の果てにナイフを突き刺して楽器を壊してしまう。唖然としたまま番組を見終えたぼくのなかで、「EL&P=こけおどし」というイメージが形作られてしまった。

 いまはやや冷静に、彼らの音楽を聴くことができる。エキセントリックなエマーソンのプレイが、クラシックとジャズをよく消化した確かなものだということもわかる。こけおどし的に聞こえる部分も、ほほえましく感じられる。大人になったなと思う。写真は七十年に発表されたデビュー・アルバム。このジャケットを見ると、どんな音楽が飛び出してくるのだろうと、ドキドキしながらレコードに針を下ろした中学二年生の春休みを思い出す。(2009年3月)


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