第6回 カリフォルニアの旅の話から、「イノベーション」について考えてみよう

 前回お話ししたように、アメリカへ行ってきました。ほとんどロサンジェルスとサンフランシスコのあいだを行ったり来たりしただけなので、「カリフォルニア」へ行ってきたと言ったほうがいいかない。楽しく刺激的な旅でした。そんな旅の話をしながら、いろんなことを思いつくままに喋ってみます。アップル本社とスティーブ・ジョブズのガレージへ行ったことは、今回の旅のメインイベントの一つだけれど、それ以外にも感じたり考えたりしたことがあるので、そのあたりをまったりと。

旅程(日付はUSA)

6月19日(日曜日)
 午後6時50分 ロサンジェルス空港に着く。近くのHertzでレンタカーを借りて予約していたモーテルにチェックイン。途中、ロスのビーチを走る。日曜ということもあり、たくさんの人が出ている。車のラジオでは「父の日」のメッセージを紹介している。ロスの近郊、トーランスのモーテルにチェックイン。近くのレストランでビールと簡単な食事。
ビーチ

6月20日(月曜日)
 のんびりロスの観光。車でダウンタウンへ。それからハリウッド、ビバリーヒルズとおきまりのコースをまわってマリブのビーチへ。今日はとても暑いせいか、月曜日だというのにビーチはたくさんの人で賑わっている。みんな楽しそうだ。夜は再びトーランスのモーテル。近所のスーパーでワインと食べ物を買って帰り部屋で食べる。テイクアウトは安くて美味しい。
ビバリーヒルズ

6月21日(火曜日)
 モーテルをチェックアウトしてフリーウェイを北へ。気温は午前中から100度を超えている。摂氏37~8度といったところか。しばらく車を走らせると、まわりは砂漠になる。デスバレー国立公園を右手に走りつづける。その向こうはラスヴェガスだ。昼ごろマンザナーに到着。第二次大戦中に多くの日系人が収容されていたところで、いまは博物館になっている。明日はヨセミテ国立公園へ行くつもりなので、できるだけ近くの街のモーテルにチェックイン。
パンケーキ

6月22日(水曜日)
 ヨセミテを観てまわる。すでに夏休みになっているのか、予想していて以上に車も人も多い。いかにもアメリカらしい自然が手つかずのまま残っている。シリコンバレーのモーテルは高いので、ちょっと手前のギルロイという街のモーテルにチェックイン。
ヨセミテ

6月23日(木曜日)
 いよいよシリコンバレーへ。アップル本社、スティーブ・ジョブズのガレージ、ヒューレット&パッカードの本社とガレージなどを見学。昼ごろサンフランシスコへ、ゴールデンゲートブリッジを渡ってバークレーへ。UCバークレーを散策。サン・マテロという街で、スタンフォード大学の未来予測学者ポール・サッフォーさんと会食。ギルロイのモーテルに戻る。

6月24日(金曜日)
 ノーベル物理学賞をもらった中村修二さんの会社、SORAAを訪問。一時間ほど広報担当のスタッフに社内を案内してもらう。彼は青色LEDのパイオニアだけれど、ここではより自然光に近い紫LEDをつくっている。ラボには一台数億円の機械がずらりと並ぶ。幾つものベンチャー・キャピタルがついているのだろう。午後は昨日お会いしたサフォーさんにスタンフォード大学を案内してもらう。広大な庭園と美術館・博物館、お城をミックスしたような施設。日本の大学のイメージとは程遠い。こういうかっこいい大学なら、みんな学びたいと思うだろうな。ウィリアム・ヒューレット&デビッド・パッカードやビル・ゲイツやヤフーのジェリー・ヤンなどが研究施設(立派なビル)をポンと寄付している。そんなふうにして儲けたお金を社会還元しているんだろうな。今夜の宿もギルロイ。
ハイウェイ

6月25日(土曜日)
 サリナスのスタインベック・センターを訪問。『怒りの葡萄』や『二十日鼠と人間』を書いた人ですね。午後はひたすらパシフィック・コースト・ハイウェイを南下。いかにもカリフォルニア、いかにもウェスト・コーストという風景が「これでもか」というくらいつづく。海水が冷たいのでラッコや鯨がやって来る。途中、ヘンリー・ミラーのメモリアル・ライブラリーに立ち寄る。『北回帰線』を書いた人ですね。かなりエッチな小説なので、読んでみるといいよ(^^♪ ロスに近いヴェンチュラという街のモーテルにチェックイン。夜はメキシカンのナイト・クラブへ繰り出す。超ミニスカートのお姉ちゃんたちが男を漁りに来ている……おっと、大学の授業に下品な表現は禁物だ。発情したオスとメスのものすごいエネルギーのなかで、ぼくたちは品行方正にビールを飲んでいました。
パシフィク

6月26日(日曜日)
 今日は移動日ということで、のんびりロスへ戻る。途中、アウトレットによってお土産を買う。このあたりには巨大なショッピング・モールやアウトレットがたくさんあって、みんな車で乗り付けて買い物をしている。モールのなかにはいろんなスーパーが入っている。ベスト・バイという家電量販店では、日本の4KモニターやLEDテレビなどが、国内よりもかなり安い値段で売られていて、なんだかなあと思う。夜はトーランスのモーテルにチェックイン。ここも三泊目。
ロス

6月27日(月曜日)
 最終日。旅の疲れを癒すために、午前中はモーテルの部屋で本を読んだりして過ごす。午後は最後の買い物。ぼくは本屋でウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』などを買う。これは原書で読んでみたかった。夕方、マンハッタン・ビーチへ。やっぱり大勢の人。サーファーたちもいる。みんな幸せそう。平和だなあ。

ロス

 ということで、駆け足で旅の概要を書いてみました。ここからは写真をお見せしながら、もう少し詳しくお話ししていきます。

次回予告
 みなさんは荒川修作という人をご存知ですか? たぶん知らないでしょうね。彼はアーティストで建築家です。数年前に亡くなりました。とてもヘンな人ですが、「死ぬのは法律違反です」とか「死は流行遅れだ」とか面白いことを言っています。それを建築で表現しようとしたのですね。彼の試みを紹介しながら、人類究極の問題である「死」について考えてみようと思います。(2016.7.6)