ご挨拶

 このたびオフィシャル・サイトを開設いたしました。以前に『片山恭一書店』というサイトをやっていましたが、こちらは運営会社を経由したものなので不如意なことも多く、長く開店休業の状態にあります。こうした状況を見かねて、ぼくの師匠でもあるフォトグラファーの小平尚典さんが、「この際、新しくサイトを作ればどうか」とアドバイスしてくれました。幸い師匠の古くからのご友人、ウェブ・デザイナーの東裕治さんとは同じ福岡市在住ということもあり、日ごろから懇意にさせてもらっています。一部の皆さんにご好評をいただいております『裏ななつ星紀行』は、小平・東・片山のトライアングルでやっています。そこで今回のホーム・ページのデザインも東さんにお願いしました。ご覧のとおり、カッコよくて使いやすいものになっております。
 ジャン=リュック・ゴダールという、名前だけはよく知られた映画作家がいます。近年に至るまで、彼は毎年のように映画を作りつづけています。しかも企画から編集まで、完全に自分でコントロールしているみたいです。映画を作るという作業において、これは大変なことだと思います。いくら低予算とはいえ、お金がかかりますからね。撮影、録音、記録といった最小限のスタッフも必要でしょう。幾多の難題をクリアして、ゴダールは映画を作りつづけているのです。それを可能にする、彼自身の「装置」を構築しているのでしょう。まさに映画は彼の人生そのものであると言えます。
 ぼくも小説や文学にかんして、彼のようなスタンスでやっていけたらと思っています。実際、ものを書くことは、ぼくにとっては生きることと切り離させない行為です。いまだに仕事やビジネスと割り切ることができません。もちろん本を出すたびに、「売れてほしいなあ」という程度の色気はあるのですが、それが一義的な問題ではありません。というか、ぼくには売れる本を書く技術がありません。だからゴダールの一貫した「作家主義」に、自分の不器用さと相通じるものがある気がして、とても共感するのです。彼のようにありたいと思います。そのための主要な装置が、このホーム・ページです。
 いろいろなコンテンツを用意してみました。『勝手にゴダール』というエッセーは、ジャン=リュック・ゴダールという一人の映画作家にたいする、ささやかな敬意とシンパシーが執筆の動機になっています。また『小説のために』というエッセーでは、日ごろ小説や文学について考えていることを書いてみようと思っています。メインは書き下ろしの小説です。『なお、この星の上に』は、完結までに数年はかかりそうです。もちろん出版社から出してもらう本については、その都度、少し丁寧に紹介していきたいと思っています。あとは音楽、本、レコードなどについての気ままなコラムを、随時掲載していくつもりです。
 リンクを貼ってあります。連載中のエッセー『気になる言葉たち』、『裏ななつ星紀行』をはじめ、ぼくが大きな影響を受けつづけている思想家・森崎茂さんのブログ『歩く浄土』、このサイトを手伝ってくれているRinのイラスト・ページなど。あわせてご覧いただけると幸いです。
 気軽に読んでもらえるような、楽しいサイトにしたいと思っています。でも浅くはないぞ、というところもちょっとは見せたいですね。どうぞ、よろしくお願いいたします。
                                    (2016年4月1日)